「せっかくの題材とアイデアを十分に活かしきれず、残念」ミラクルシティコザ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
せっかくの題材とアイデアを十分に活かしきれず、残念
一番の見どころは、アメリカによる占領下で、ベトナム戦争の特需に沸いていたコザの街の熱気と狂騒のはずだが、ネオンのきらびやかさ以外は、十分に再現されているとは言いがたい。当時の米兵たちを熱狂させたというロックの格好良さも、中心メンバーのジイジと孫が入れ替わってしまったために、あまり伝わってこない。
全体的に、占領やベトナム戦争といった世相の描写が希薄で、脱走兵のエピソードもインパクトが弱いため、ジイジがこの世に未練を残した理由も、今一つ説得力がない。
二人の入れ替わりにしても、せっかくタイム・トラベル的な要素を取り入れておきながら、その仕掛けを活かしきれず、キャラクターの違いによるドタバタだけに終わってしまっているのは残念。題材とアイデアは良いだけに、作り方によっては、もっと面白くできたような気がしてならない。
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