「SF版突破ファイル」コンティニュー カロロ恥子さんの映画レビュー(感想・評価)
SF版突破ファイル
当初、全く興味を持って無かったが、先日知人が「面白そう」と言っていたので配役を見てみたら『キャプテン・アメリカ』のラムロウが主演ではないか!
「あの子が立派になって、まぁ!」と、晴れ舞台を見に行く親戚のおばちゃん気分
最初、この映画に興味持てなかった理由は「何度も同じ1日を繰り返す主人公」ネタって
🐼...どうせ、『マトリックス』的な“自分の現状が仮想現実と知り”みたいな三番煎じぐらいの映画やろ...
と思ってたから
<ここからネタバレ!!!>
が、この映画は違った!
主人公は出だし
・同じ事の繰り返し...あ~、だっりーな~
どうせ死ぬし
→あれ?俺、ちょっと違う展開に出来るくない...?
→お!こうしたら息子に会えて...
→ん?この無限ループってそもそも前日起因?ってか、元嫁起因?!
(出てくる殺し屋達の「BLACK LAGOON」テイスト大好き♥︎)
まぁ、ここまでは予想通り
「明るい未来目指して俄然、頑張る!」
しかし話は中盤から非凡な展開に
「ボスキャラ倒したら大団円」と思いきゃ「倒したってハッピーエンドにはならず、あずかり知らぬ所で展開していた悲劇」を主人公は知ってしまう
ここから物語は序盤において主人公を苛むだけだった無為な時間の繰り返しだった設定が、ちょっとずつちょっとずつ息子を知り交流する楽しみをもたらすものに価値を変える
迎えるのが世界の終末である事を、主人公だけが何度も何度も繰り返し味わう諦観を土台であっても...
そして、幾度となく繰り返した息子との会話から光明を得る
ここからが痛快大逆転展開!
(ミシェール・ヨウの贅沢すぎる使い方も含めて)
ラストの「私のために来てくれた!」という妻の台詞
彼女は、主人公が自分にたどり着くことは多大な困難を何度も乗り越え、自分が愛した主人公の精神が発揮された時だと知っていたから
信じていたから
この映画が秀逸なのは、最後のシーン
お定まりの「最後は世界を救った主人公は、心を入れ替え家族と幸せに暮らしましたとさ」とならず、自分が消えてしまう可能性に身を投じる
あの終わりに不満を言う人も多いだろう
ただ、最後の主人公の表情が物語っている
彼は、やり遂げたのだ...と