劇場公開日 2021年6月4日

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「いろいろと楽しめる」コンティニュー 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5いろいろと楽しめる

2021年6月11日
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鑑賞方法:映画館

 タイムループものというと、トム・クルーズ主演の映画「Edge of Tommorrow」(邦題「オール・ユー・ニード・イズ・キル」)と、今年日本で公開された「パーム・スプリングス」が頭に浮かぶ。いずれも、どうやってタイムループから抜け出すかがポイントになっていた。
 本作品も同じようにどうやってタイムループから抜け出すかが一番のポイントだが、主人公の性格が一筋縄ではいかないところがあって、なかなか面白い。人生を客観視して面白がるようなところがあるのだ。
 それ以外は、何度も繰り返すうちにいろいろ学んでいき、時には手順を間違えてヘマをしたりもしながら解決へ向かって進んでいく。このあたりの演出は見事で、飽きずに鑑賞できる。最初に登場する持ち帰り女や途中で登場する子供が意外に重要な役割を果たしているのもケッサクである。
 タイムループものにハズレはないが、本作は主人公の慣れと熟達の他に謎解きのような部分もあって、いろいろと楽しめる。ラストシーンがくどくないところもいい。メル・ギブソンの声は何度聞いても痺れるいい声だ。ミシェル・ヨーがこんなところでチョイ役で出ているのも贅沢だと思う。
 原題は「Boss Level」で、ビデオゲームの一種であるロールプレイングゲーム(RPG)で、現れる敵が、雑魚レベル、中ボス、大ボス、ラスボスなどとゲームが進むにつれてだんだん強力になっていく。本作品のストーリーをRPGにたとえてお手軽感を出している訳で、観客が楽な気持ちで観ることができる。その点もよかった。

耶馬英彦