コンティニューのレビュー・感想・評価
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カーナハン監督らしい歯切れの良さは健在
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』『メメント』や『恋はデジャブ』を始め、今や一つのジャンルを確立した感のある”ループ・ムービー”。これらを描く上では特殊状況を引き起こす独創性や世界観のみならず、「繰り返し」をいかにリズミカルに描けるかというセンスや力量までもが不可欠となる。その点、ジョー・カーナハン監督はもともと息詰まる関係性や出口なしの状況を描くのに長けた人だから、はじめから緩急自在の快作になるのは運命づけられていたと言えるかも。抜群に歯切れの良いアクションと隠しキャラのごとき登場人物からも「スモーキン・エース」の頃のような遊び心の高さが伺える。生死を繰り返しながら経験値を高めていく流れはゲーム世界の専売特許だが、繰り返しの努力によって限界の壁を越えてゆくという発想は、むしろ一周回って現実的。久々にメル・ギブソンの悪人顔を堪能しつつ、頭をからっぽに気軽に楽しめる娯楽作と言ったところか。
ゲーム感覚を強調したループSFアクション。ナオミ・ワッツとメルギブの対話シークエンスは別の意味で見もの
主人公のロイは元特殊部隊員。ベッドで目覚めると得意の武器がそれぞれ異なる殺し屋たちから次々に襲われ、数人は返り討ちにするが、何人目かで失敗し命を落としてゲームオーバー。ベッドの場面から死闘がリスタートする…。一定幅の時間を延々と繰り返すタイムループものはSF映画の人気サブジャンルだが、設定が特に近いのは桜坂洋原作、トム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」だろうか。敵の攻撃はある程度パターン化しているので、繰り返すたびに相手の動きを予測できるようになるし、対戦スキルも向上する。「Boss Level」という原題も含め、ゲームをかなり意識した作りになっている。
当初ロイは自分が時間のループに取り込まれてしまった理由を分からずにいるが、やがて元妻で軍需系の研究所に勤める科学者のジェマ(ナオミ・ワッツ)と、その上司(メル・ギブソン)が取り組む極秘プロジェクトに関係があることに気づき…。
主演のフランク・グリロは1965年生まれの55歳。デビュー作は92年の「マンボ・キングス わが心のマリア」(懐かしい!)だそうだが、主要な役が続くようになったのは2010年代に入ってからなので遅咲きの部類に入るだろう。若い頃からレスリングやブラジリアン柔術などをやっていたらしく、さすがに格闘アクションは本格派。ガンアクション、肉弾戦、剣での対戦などバラエティーに富むファイトで楽しませる。なお、斬首のショットも何度かあるので、残酷描写が苦手な方、お子さんと一緒に観ようと思う方は留意すべきだろう。
監督のジョー・カーナハンは、過去作に「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい」「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」などもあり、大勢がわちゃわちゃと戦いを繰り広げる活劇が好みのよう。ちなみにロイが息子ジョー(フランクの実の息子リオが演じている)と「96時間」の話をして、“強い元軍人”という観点で「リーアム・ニーソンは偽物、パパは本物」と言う場面があるが、カーナハン監督作の「特攻野郎~」と「THE GREY 凍える太陽」にニーソンが出演しており、しかも後者ではグリロも共演しているので、ここは仲間内のジョークだろう。
中盤、研究所のオフィスでナオミ・ワッツとメル・ギブソンがプロジェクトについて話すかなり長めのシークエンスがあるのだが、2人のスケジュールが合わなかったのか、ワッツの顔が写っている時のギブソンは後頭部だけ、逆にギブソンの顔が見える時は女優を背後から写すといった具合に、ボディダブルを使った切り返しショットを延々とつなげている。ただし引きの画で2人の顔を収めたショットも若干あり、そこはおそらくポストプロダクションでどちらか一方をCG処理したのだろうと思われ、あの手この手でスター2人が対話しているように見せる苦労に気を取られてしまい台詞の内容がさっぱり入ってこないのには参った。
クセが強い暗殺者のキャラがバラエティに富む
パージでフランク・グリロに惚れたのと、ループものが好きなので鑑賞。死んで覚えて成長する、映画というよりゲームを観ているかのようだった。
良かった点は、「ハイテンポでアクションが爽快」なこと。バンバン人が死んでグロいけど、コメディータッチなので怖くない。ハイテンポなカットでの斬首、銃撃はむしろ気持ちい。
クセが強い暗殺者のキャラがバラエティに富んで良かった。各キャラによって戦闘スタイルが変わるのが楽しい。特に女剣士とチビの爆弾魔が好き。
尻軽、酒浸り、クズな夫がループを繰り返して妻と息子のために改心する。いかにも感動しそうな分かりやすい構成。しかし、テンポの良さとノリの軽さからか、感動は薄れてしまったように感じる。
残念だったのは、「続きが気になる終わり方でモヤモヤした」こと。この後はどうなるか分からない」って雑にぶん投げたな。ハッピーエンドかバットエンドかも分からない。せめて装置入った後、何でもいいからワンカット欲しかった。
死にゲー
見た後になーんにも残らないけど、楽しいもんは楽しい。
オール・ユー・ニード・イズ・キルは超えられなかった感があるけど
徐々に攻略していって、最後に辿り着くのは…っていうとこ好き。
「アバウト・タイム」
「ハッピー・デス・デイ(2U)」
「パーム・スプリングス」
あたりが好きな人はきっと楽しめると思う。
終盤以外はほとんどコメディ
死に戻りのタイムループものでトム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のような作品だ。
しかしシリアス系であった「オール・ユー〜」と比べてコメディ要素が強めになっている。
監督であるジョー・カーナハンの作風なのかもしれないが敵も味方も死ぬときになんだか笑えるんだな。死に緊張感がないのだ。
このあたりは「ハッピー・デス・デイ」なんかと近い。
つまり、本作は面白い。
物語至上主義の人には満足いただけないかもしれないが、この手の作品の場合、物語なんてなんとなくあればいいからね。好みが演出よりの自分なんかには大いに楽しめた。
大作ではないけれどエンタメに全フリしてる分、娯楽度は高め。細けーことはどうでもいい人にはオススメ。
後続組なら工夫が必要
タイムループもの流行りましたねこの頃。何個か見て食傷気味。ほとぼり冷めたけどそしてタイムループものと知らずに見たけど、やっぱりもういいかな。繰り返す部分見るのが辛いんだよね、時間がもったいないと思っちゃう。アクションもそんなに好きじゃないからもういいんだけどってなっちゃう。メルギブだから見たんだけど友情出演程度の全然見せ場なし。なぜか突然のミシェル・ヨーが見せ場を作ってました。このエピソードは繰り返しも短めで好きでした。
こんなに登場人物の数と死人の数が合わない映画って
無いやろなー、各自何回死んでるんやか。
一日を何度も繰り返し系の映画は今までも無くはなかったけど、これはなかなか一気見できるスピード感で終盤まで頑張った作品。
既にもう100回以上今の生活を繰り返しているという冒頭の設定はなかなか斬新。主人公ロイはなぜ自分の命が狙われているのか、なぜ刺客があちこちから現れるの考える余裕がないまま、襲われて反撃、また襲われてまた反撃を繰り返す。
何しろ元特殊部隊の隊員だったことと、既に100回以上も同じことを繰り返し、その記憶を蓄積することができるので、刺客がどう攻撃しているのかもお見通し。はい、次はこっちに動いてここで鉄砲撃って、と全て記憶している。
もちろん、うっかり攻撃を忘れて命を落とすこともあるけど、何のことは無いまた朝の目覚めに逆戻りするだけ。
そもそも何故こんなことになったのか、どうもカギは元奥さんのジェマが何かを掴んでいるらしい。しかしそんな妻とはなかなか連絡が取れず、ついに連絡が取れそうになったところで元妻の会社の上司から意外なことを聞かされる。
まず、ロバート・ダウニーJr.のシャーロック・ホームズよろしく相手の攻撃を読みに読みまくるロイ。当たり前だ、昨日も同じことやってたし。この序盤の説明シーンが、ロイのとぼけたキャラも相まってなかなか面白い。ロイのこのとぼけ具合いが、ともすれば何度も死んで生きる系だと悲惨になりがちだけど、飄々としていて重くならずにいい。
前の日までの記憶もバッチリ残っているのがミソ(ここ物語でメチャクチャ重要)で、謎解きを試みるんだけどどこかでハイ、殺し屋登場となってなかなか進まない。なんとかロイも粘り強く解明していって、事の真相に近づいていく。
そこに、ハリウッドお得意の離婚夫婦と子供の家族模様も絡めてくる。息子っちの無垢な瞳が可愛い。けど学校はサボるな。
襲ってくる刺客たちがこれまたキャラ立ちしてて、戦いっぷりも死にっぷりもいちいち面白い。毎日のように会うのに名前を聞くとかできないので、刺客にそれぞれロイが雑なあだ名を付けていて、爆発男とか、自分に似たヤツをロイ2世とか、スマイル野郎とか結構適当に呼んでいる。剣客キャラの女性はその中でもかなりの強敵。どう倒すか、そこもこの繰り返せる時間をうまく使って解決している。
終盤は何故かジョン・ウィックもかくや!というガンフーアクションまで炸裂。
終わり方には賛否ある気がする。だけど、冒頭からグイグイ引き込んでいく独特の引力があし、不謹慎ながらロイの大雑把さがめちゃくちゃハマって何度も大笑い。
謎解きサスペンスにアクションやって、ベースはSFやのに家族ドラマで軽く泣かせるとかどんだけ盛りだくさんなんよ!
なので、大満足。
タイムループ
映画で一番良かった。
朝イチの殺しやを殺した直ぐに、発信器を外せば良いのでは?と思ったけど、ラストの潜入方法で発信器を逆に利用していて、ストーリーの完成度の高さを感じた。
敵ボス役のメル・ギブソンが渋すぎる!
最強の繰り返しモノ
繰り返し系映画の中では最強に面白いのでは?『恋はデジャヴ』で繰り返しモノってオモシレーとなったのだが、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でこの手があったかと。でさらに進化したのが本作。アクションシーンがぶっ刺さる。
2021年制作ってことは、主演のフランク・グリロ58歳の時?動ける、動ける、すげぇ動く。繰り返しの中で、試してみなかったパターンにトライするってのがポイントなんだけど、
これって現実世界でもよく言えること。
この方法じゃぁなぁーって二の足踏む前に、やってみることも大事だと。
現実世界でも意外とコンティニュー的なことはできるんだから。
繰り返しモノ好きな人は見た方がいいでっせぇ。
メルギブソンの話長過ぎ
ループもの、いわゆる死に覚えと言う事が序盤でテンポ良く楽しく説明されます、最高の掴みでした!
だけどその次の研究所でのループ前日のシーンになると途端に冗長になるのが残念、主役と元嫁の会話は重要なのは分かるけどもっと簡潔にまとめられなかったかな…?その後のメルギブソンの蛇とイノシシの話、いや長い長い!!そのくだりいる!?
残念なのはそれくらいであとは初見殺しな殺し屋とのバトルを如何に攻略していくかも面白くカタルシスも有りました。
ミッシェルヨーとの訓練は"恋はデジャヴ"のピアノを習うシーンを彷彿とさせます。
波動拳だよ!!
『コンティニュー』(原題:Boss Level)
もともと『Continue』として企画されていたものということなので
邦題はわかりやすさ的にも◎
主役のフランク・グリロの出演時の年齢が55歳だということを知ってびっくりした。体の鍛え方がすさまじい、必見
死んで、復活やり直しは
『Re:ゼロから始める異世界生活』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などでもおなじみの題材
だから”そこそこ”の内容では面白くも目新しさもないが
本作は”そこそこ”ではない。
冒頭からゲーム的演出で、簡潔に”コンティニュー”を説明する手法はとても良い
そこからゲームチックな敵キャラクターの紹介、毎回の繰り返しについて説明
繰り返しの中で徐々に動作が洗練されていき「先読みした格闘」に発展
最終的にRTAのような展開に持って行ったのが素晴らしい、見ていてストレスがない。
制作陣は作品コンセプトを理解して、適切な脚本で適切に演出されている。
が、一部シーンで冗長に過ぎる「長い話」があり大人の事情が垣間見えるのが残念、そこでやや減点した。スキップ推奨。メルギブソン・・・
別居中の妻の居る元特殊部隊の夫という、ハリウッドアクション映画の超王道テンプレ主人公だが、物語の主軸に「繰り返しの謎」、「愛するものを救う方法」、「強敵との戦闘」があり、最後まで飽きることなく楽しめる。
オチも超王道、変にSF要素にこだわることなく、作品コンセプトを邪魔しない展開
スト2の出てくるシーンで「アルグラ?」「違うよアルゲン!」というそのまんま字幕で盛大にずっこけるのも面白かった。
中途半端。
序盤は予告編で全部観たやつかと冷めた感じで観ていたが、クスッと笑えるセリフなどもあり、徐々に惹き込まれていった。
それでも短い映画の割に長く感じた。仕組みがよく理解出来なかったのもあるんだろう。
メル・ギブソンはまだまだ健在。
ミシェル・ヨーはこの位の出番がよい。
終わり方も中途半端感が否めない。
コミカルなループ系SF
ループものは全て似たような展開になってしまうため、その点でのマンネリ化は避けられない。内容は比較的ややこしさがなく、悪く言えば単調・良く言えばスッキリ。その分コミカルや家族愛に振った作品。歯を抜くシーンは大声で笑わされた。ラストも思わせぶりに見えるが気になって他人の考察を調べるほどではなかった。
豪華キャストの軽妙アクション
劇場公開されたの?
豪華キャストなのに公開されたことに気づかなかった。
主人公3人だけでなく、バー店員のケン・チョウ、ミッシェル・ヨー。
特にヨーはセリフも少なく、見せ場も無い。(カッコいいアクションすらなし。彼女を起用する必要は全く無かった)
本作の見どころは、コミカル&軽妙なアクションだろう。
同じ日を何度もやり直す、というのは、「恋はデジャ・ブ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「パームスプリングス」など複数あり、「ありがち」といえばその通り。
新たなアイデアとか個性が特段あるワケではないが、生き延びつつ、世界の崩壊を防ぐ、という目的なのだが、
敵(メル・ギブソン)のキャラが良くわからんな。「不気味なボス」という以外のキャラがなく、ギブソンを起用した意味も分からん。(ギブソンも作品を選ぼうよ。)
まあ、アクションとかコミカルな編集は楽しめるので、それを楽しんで映画が終わったらキレイさっぱり忘れる作品なのかもしれない。
何度も何度も何度もやり直せる
非常に面白い映画でした。
最初は何故主人公が同じ日を繰り返しているのか分かりませんが、繰り返していくうちに少しずつ分かっていくところにカタルシスを感じます。
…皆さんは気付きました?
主人公が息子とゲームで遊ぶとき、背景にパックマンがあり、「なんでこのゲームが好きなの?」と息子に聞かれた時に『人に追われるし大勢殺せるから』と答えたことを。
これ最後のシーンの伏線ですよ。
私は静観
Theループもの、コメディ要素もあって個人的には結構好きでしたね。
ご都合主義じゃないストーリーがなかなか良かったですね。
主人公がとても頭がいいという訳ではなく、見ている側が、主人公と同じ考え方で見ていられました。
俺ならこうするのに、とか、そんなやり方があったか!みたいなのが少なかったですが、そのぶん主人公に気持ちを重ねることが出来たかなと思います。
意外な良作。
「オールユーニードイズキル」からエイリアンを引いて親子愛、夫婦愛を足したような作品。
ループを重ねるごとに強くなる設定はまんま同じだけど、かの作品に欠けていたものが補填されてて意外にも楽しめた。
こういうループ系は正直もうあきたなあと思いながら見始めたんだけど、テンポの良さにぐいぐい引き込まれた。
最初は訳も分からずただ戦い続けていた主人公がやがて息子や元妻を救うために戦うようになってゆくところとか、また一時戦うためのループをやめて息子との時間を過ごす場面とかに結構ほろりとさせられた。そして最後は自分の身を呈して世界を守ろうとする姿にも。
そんな「オールユーニードイズキル」のほうでは描かれてなかったものが本作では描かれていてこっちの方が個人的には好みかも。ラストの終わり方も良かった。
死が軽い映画に緊迫感は求められない
殺し屋達に殺される朝を繰り返す主人公が、ループから逃れる為に奮闘する物語。
タイムリープ設定のアクション物ですね。
特異な設定が興味を引きます。しかし、良く考えてみれば「主人公が死ぬことにより時間が戻る設定」は、それだけ「死」が軽くなり個人的には嫌いなもの。その時点で私的評価は厳しくなってしまう映画でした。
アクションは派手ですが、「死」の恐怖がなければ緊迫感が生まれませんし、何度も同じようなシーンが繰り返されると飽きが来てしまいます。
特異な設定を収束させるアイデアも今一つで無理やり感が強く、映画自体の評価は厳しくならざるを得ません。
私的評価は当然厳しめです。
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