劇場公開日 2022年1月7日

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「赤と黒のエクスタシー」決戦は日曜日 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0赤と黒のエクスタシー

2022年1月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

2022年映画館鑑賞2作品目
1月16日(日)イオンシネマ石巻

窪田正孝宮沢りえ初共演という新鮮さ
映画館に行ってスクリーンで観ずにいられなかった

監督はオムニバス映画『らくごえいご』の『猿後家はつらいよ』の坂下雄一郎
脚本も坂下

政治系コメディー映画
病で倒れた父に代わって衆議院選挙に立候補する娘とそれを支える秘書の喜劇

秘書で主人公の谷村勉に窪田正孝
父の地盤を受け継ぐことなった川島有美候補者に宮沢りえ
選挙事務所の若手岩渕勇気に赤楚衛二
選挙事務所の紅一点田中菜々に内田慈
選挙事務所のベテラン濱口祐介に小市慢太郎
選挙事務所の中堅向井大地に音尾琢真
ぽっちゃり政治記者に駒木根隆介
選挙事務所に商品を売り込む営業マンに前野朋哉

政治を扱った社会派コメディー映画としては及第点に達している
だから星1とか2はありえないが星5もない
後半で嫌がる候補者に同調して秘書が落選工作を始めることに関してはあまりにもリアルじゃないし馬鹿げている
タイムスリップしてきたばかりの侍ならともかく田中が話した炎上の話を全く理解できない向井も流石にありえない

初めから当選間違い無しの選挙で当然のことながら当選する
東国原英夫が宮崎県知事選挙に立候補しまさかの当選を果たしたがそういう感動はない
だからその点では面白みがない

後援会の爺さんトリオや地元の地方議員と対立するところが良い
炎上系ユーチューバーを暴力で懲らしめる場面はスカッとした

事務所の屋上で演説したあと転落するあの一連のシーン好き

中国人朝鮮人を日本から排除しようと訴えるヘイトスピーチはむしろ多くの国民に支持されたわけだがこれはとてもリアルだ
所詮日本でリベラルなんてノイジーマイノリティにすぎない

窪田正孝演じる谷村の強すぎず弱すぎないちょうどいいキャラが良い
なにかとトラブルを起こす新人候補者川島を下から説得する姿勢が秘書らしくてなかなか

宮沢りえ演じる川島有美がとても良い
誰を参考にしたのか誰と誰を参考にしたのか全く分からないが見事な役作り
1人だけ舞台俳優のような表現力はこの役にピッタリ

エンドロールは普通
おまけ無し

野川新栄