「蒔いた種が芽吹くことを祈って」ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
蒔いた種が芽吹くことを祈って
DCエクステンデッド・ユニバース第10作。
"マン・オブ・スティール" 三部作第3部のD.C.版。
Ultra HD Blu-rayで鑑賞(字幕)。
原作コミックは未読。
「スナイダー・カット」の公開を求める運動には、ツイッターの投稿にハッシュタグをつけて微力ながら参加しました。
当初は製作されない可能性が高かったのであまり期待していませんでしたが、いざ決定した時は大変嬉しく思いました。
オリジナルの「ジャスティス・リーグ」もまぁまぁ面白かったですが、ストーリーの大枠は殆ど変わっていないにも関わらず、がらっと雰囲気の違う作品になっていて驚きました。しかもこのバージョンの方が数倍面白かったです。
本作が初登場だったヒーロー(アクアマン、フラッシュ、サイボーグ)の紹介はオリジナル版よりも厚みがあったし、チームアップの瞬間は一層胸アツでした。サイボーグがこんなにも物語の鍵を握るキャラだったとは意外でしたし…
マーシャン・マンハンターやダークサイドは、オリジナル版では丸ごと存在が削られていたわけですが、それでよくもまぁストーリーが成立していたなと、逆に感心させられるほど筋に食い込んでいたのでめちゃくちゃ驚かされました。
無理してMCUを真似せず、独自の路線を貫き、このバージョンを当初から公開していれば、DCEUにはもっと明るい未来が待っていたのではと思わずにいられません。興行面も考えないといけないので、難しい判断でしょうけれど…
ユニバースの最悪な未来を予感させながら、微かな希望も抱かせる見事な結末でしたが、ワーナーとDCの方針を鑑みるに、今後、ザック・スナイダー監督が蒔いた種が無事芽吹くことはなさそうな様子なので、大変残念です。
[余談]
戦略を転換させた後のワーナーやDCのやり方はあまりに非情過ぎるのではないかな、と…。利益をあげなければならないことは分かりますが、キャストやスタッフ、作品自体を蔑ろにするような行為だけはして欲しくありませんでした。
※修正(2024/03/26)