「面白かった。」ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット 青空ぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5面白かった。

2021年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

4時間という長尺であること、すでにジョス・ウェドン版を観て内容が分かってることから、見なきゃ見なきゃと思いながらも中々手が出せなかったけど、今日、意を決してAmazonビデオレンタルで鑑賞。
結論から言えば、めっっっっっっっっっちゃ面白かった!!
「マン・オブ・スティール」「bvs ジャスティスの誕生」と、明らかにフランク・ミラーやアラン・ムーアらモダン・エイジ世代のアメコミアーティストが大好きで多大な影響を受けているザックの作風や、やたらスローモーションを多用したテンポの悪いアクションも正直苦手だし。
なので、ぶっちゃけジョス・ウェドンのDC版アベンジャーズ的な明るく楽しい「ジャスティス・リーグ」を観た時は「こんなDC映画が観たかったんだよ!!」って思ったりもしたけれど。

でも、今回のザック版を観て最初に思ったのは「なんだよザック、やれば出来るじゃん!」と。
ノーラン以降の、モダン・エイジ特有の暗くて重くて「リアル」路線で、やたら冗長な割にアチコチ間が抜けてるストーリーテリングには正直辟易したんだけど、ザックは決してスト―リーテリングが下手なわけじゃなくて、前2作は単純に時間が足りてなかったんだなと、今回のスナイダーカットでやっと分かった。
そのくらい、バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンに、本作がデビューのフラッシュ、アクアマン、サイボーグのドラマが過不足なく盛り込まれ、ついでに言えばジョス・ウェドン版ではよく分からなかったステッペンウルフやダークサイドといった悪役の輪郭も立体的に描かれているので、物語に説得力がある。

そして、本作の中で特にしっかりと描きこまれたサイボーグと両親に、ザックは自身と亡くなった娘さんの関係を重ねているように感じた。もちろん撮影時はそんなこと意識してなかったと思うし偶然かもだけど。
そういう意味で、本作はエンターテイメントに徹しながらも随所で「親子」と「贖罪」が描かれていて、そこに今までの“オタク監督”ザック・スナイダーの作品には感じた事のない、リアルの質量というかザックが作品に込めた心情を感じてグッときてしまった。

青空ぷらす