ベレニス
1954年製作/22分/フランス
原題または英題:Berenice
スタッフ・キャスト
- 監督
- エリック・ロメール
- 原案
- エドガー・アラン・ポー
- 撮影
- ジャック・リベット
-
エリック・ロメール
-
テレーザ・グラチア
1954年製作/22分/フランス
原題または英題:Berenice
エリック・ロメール
テレーザ・グラチア
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2022年4月27日ポオの猟奇短編の朗読劇。美しい文章と異常で居心地の悪い世界観の映像で、猟奇的なラストに向かって淡々と進みます。
阿片を片時も手離せない男。現実と夢の狭間に沈んだ男は、発作で亡くなった新婚の妻の墓を暴き、息を吹き返していた妻の屍衣を剥ぎ取り全ての歯を抜き取る。
音がするんですよ。
抜歯の音なのか、棺を叩く音なのかは分からないんですが。
ヌーベルバーグ云々以前の話として、ロメールは、このポオの猟奇短編に惹かれてだんでしょうね。
気色悪かった。
マジで。
⭐︎はロメールへのリスペクトって事で。
ロメール自身が主役を演じていて、まさに怪演。
とはいえ、あのエドガー・アラン・ポー原作なので、あの手の怪奇譚が苦手な人には、あまりお勧めできない。
しかし、あのポー独特のオブセッションがテーマだと言うのに、もうこの頃からロメールには不思議な浮遊感というか、浮世離れ感というか、ある種の軽やかさがあって、変に気持ち悪い画面になってはいない(まあ、これは観る人次第か…)
とはいえ、ラストは完全に狂気の世界へ突入していく。
そして、あの濃密な世界観を短編という時間枠の中、しっかり描き切っている。
やはり流石としかいいようがない。