そして、バトンは渡されたのレビュー・感想・評価
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メルヘン?ファンタジー?
この作家さんの小説は好きで、
何冊か読んでますが、この作品は未読です。
う〜ん、すごくいい話だと思うのですが、
話がキレイすぎまませんか?
お人よしというか、いい人すぎる人たちが、
ありえないストーリーを紡いでいく。
小説としてはいいのかもしれないけど、
映画、特に、実写はきついかなあ。
アニメに合いそうな感じがしました。
私は、泣けなかったですね。
悪い映画では無いですが、全く泣けず
物語としては一人娘を持ったある家族の話となるのでしょうね。
しかし、私は納得できないのです。悪い大人は出てきませんが、家族というのは、これほど表層的なものとは思えません。石原さとみさん演じるママはたびたび姿を消します。場合によっては新しいパパにみいちゃんを預けて。みいちゃんの親たちはみいちゃんを愛しており、みいちゃんもそれぞれを愛している。なのにママの病気のことを正しく知らせない..というのは理解できません。知られたくないとか迷惑をかけたくないとか、そういう感情を乗り越えるのが家族の絆でしょう。
あれほど大事にしてくれたママの死に目にみいちゃんを会わせないというのは、ママ本人は望んでいないとしても個人的には許せないです。お父さんたちは家族としての責任を放棄していると思うのです。真の家族ならママの病院にも通うし、ブラジルから帰ってきたお父さんだって実の娘を真剣に探しますよ。全体として、ちょっと捻った内容(三人の父とママによる子育て?)を狙ってリアリティを失ってしまったような感じを受けました。全体として悪い映画ではないのですが、私は全く泣けませんでした。
大傑作 1人でも多くの方に、勘違いせずに見て欲しい
大いなる愛の話。
不治の病というのはもうとてつもなくずるい設定。
が、この不治の病という設定に真正面から挑んだ勇気ある作品。
全てが子供の、血を分けた子ではない我が子への、
計り知れない愛のある話。
利用して子供を育てたと見えてしまう、他者からはそう見えてしまう、子供からも勝手だと思われてしまう、視聴者の一部からも、勝手な奴だと思われは根本には、真実であり、頭を垂れざるを得ない、愛がある。
史上最高の邦画です。
素直な気持ちになれました
私にも娘がいるのですが、リカさんみたいにいつも笑っていることはとっても難しいです。
母親になってからわかりました。
「いつも笑顔で」という言葉をリカさんから、みぃたんか素直に受け止めて実践している姿を見ると、
もちろんフィクションですが、
自分ももう少し意識して笑顔を見せないとな〜と思ったりしました。
映画関係ないレビューになってしまいましたが
どうしても、最近母親の役に感情移入してしまいます。。
複雑な家庭で育った女が幸せを見つける話。
面白かった。
原作は読んでないのでこの後読みたいのですが、この映画、「みぃたん」視点で話が進んでいきます。あくまでタイトルにあるバトンを渡されたのは彼女を育てた親達の事です。ただ渡された側の視点で物語は進んでいきません。ちょっとちぐはぐだなと思ったのだけど、どうなんでしょうね?どう思いました?
「みぃたん」と「森宮優子」のシーンが交互に繰り返される展開で、最初は二人が同一人物とは分かりづらい(あえて分かりづらくしてるんでしょうけど)作りになっているので、見ているこちらとしては、この二人とその周りの人達の関係性はなんだろう?どうなっているんだろう?という興味で引っ張られました。種明かしは物語中盤でされるけど、そこにたどり着く前にはなんとなく、あぁ同一人物か、と分かるけども、どうにも石原さとみさんが美しすぎるのと歳を取らないので、その辺、映像的に分かりづらいってのもあったかなと。
優子の高校時代のエピソードでいじめっ子と打ち解けるシーンがあるけど、ちょっと甘い(そんなんでいじめやめちゃうのかと、ちょっと落胆)気もしたけど、まぁ本線じゃないしここはあっさりしていていいかと。仲直りさせる必要なんてあったのか?いや、青春に友達との喧嘩は付き物だからあった方がいいか、と思い直してみたり。
でも、いいな~この話し。物語のメインは、優子が複雑な家庭で育ち、複数の親がいることが分かってからの優子自身の結婚に向けた苦楽を乗り越える話しになってます。別に血の繋がっている本当の親ではなくても、いかに愛情に満ちた時間を過ごしていたのか、というのを存分に映像で見ることができます。
複雑な家庭で育った可哀そうな娘が、立派に巣立っていく。そんな話じゃないです。優子はとても幸せに、愛情に包まれて育ってきた。そんな優子が笑顔を絶やさず、幸せをいっぱい受け取る、見ているこちらも幸せな気持ちになれる作品でした。
シーンを振り返って。
・高校の卒業式の肩越しバックショット
実の父(水戸秀平:大森南朋)が見に来てたのかな、とそのシーン初出の時は思ったけど、これ梨花さんだったんですね。なるほど。
・梨花の病
途中、梨花が妊娠できない身体だった、ということが明かされるけど、これはそうなのかな?と思いながら見ていたので、だよね~という感じ。最初、水戸さんと結婚した理由も子供欲しいから。だからこそみぃたんへの愛の深さ故(あまり許されることではないけど)みぃたんが書いた実父への手紙を送らず、実父から届いていた手紙もみぃたんには渡せなかった。その気持ちも分かります。でもこれってどこまで女性ウケするのでしょうか。わかる~っていう人の方が多かったりするのかな?父が酷い父親であればその理解もできる(し易い)のでしょうけど、水戸さんはそこまで悪い父親じゃなかったしね。夢を追いかけてるだけ・・・って、ここまで書いてよくよく考えると、夢を追いかけ家族を犠牲にする男って女にとっては敵だったりするよねw
・梨花の死
優子の実母の墓前で梨花から電話があったと優子に告げる森宮父。ここでサウンドカット。この瞬間に、あ~死んだなこれって感じ。で、先の卒業式のシーンで梨花が見に来ていたことが分かるシーン。ここの音楽のボリュームが・・・w 感動を盛り上げるべく!!わかるよわかる!でもね、ちょっとやり過ぎ感があって、逆にちょっとさめてしまった。
不勉強だったのですが、これ原作ありの作品だったんですね。オリジナルにこだわりたいと思っていたけど、メディアミックスで映像&文字&音、など、結局どこが原作か、はどうでもよくて面白い作品、楽しめる作品、そんな作品が改めて好きなんだなぁと今回思いました。
バトン、バトンか~~~~!!!いいね~~~!
笑っていれば、いろいろなラッキーが転がり込むの
映画「そして、バトンは渡された」(前田哲監督)から。
親として、父親として・・という表現は多かった。
「弁当っていうのは」という表現で始まり、
「親の愛情表現できる最高のキャンバスだろう?」と続き、
「受験勉強の夜食ってさ、親の愛情の見せ所じゃん?」
「結婚って、それって父親としてのメインイベントじゃない」
など「愛情表現」という四字熟語(笑)のメモは増えた。
しかし今回選んだのは、作品の中で何度か使われたフレーズ。
「笑っていれば、いろいろなラッキーが転がり込むの」。
その前に、辛い場面で、親子のこんな会話がされる。
「こういう時こそ笑っておかなきゃ」と子どもに悟す親。
「楽しくなくても笑ってるの?」と子供が訊き返す。
そして、いつも決まった答えが、
「笑っていれば、いろいろなラッキーが転がり込むの」。
どうしても、辛い時は辛い顔、悲しい時は悲しい顔になるが、
それを乗り越えて、辛い時も悲しい時も「笑顔」。
その理由はただ一つ「笑顔がラッキーを呼び込む」から。
なるほどなぁ。
まぁ、、、フィクションだからね
フィクション!フィクション!
現実だったら子供からしたら
迷惑な話し。
そしてグレない、みぃたん逆に心配。
伏線張り放題の
後半回収ラッシュ。
ただ、母親の無償の愛に注目すると
本当の親でもここまで娘の為に人生を捧げれるか
疑問である。
それが逆に母親である私は思うのです
こんな親だと子供は幸せだろうなぁと。
なんだかんだ、親子愛には弱いので泣きました(。-∀-。)
2回観ることで完結する映画
最後の結末を観て涙が止まりませんでした。
どうしてももう一度観たくなり、2度目の鑑賞をしました。
結末を分かった上で観ることで意味の分かる描写、登場人物たちの心情。序盤から涙が止まりませんでした。
是非2回観ることをおすすめしたくなる映画です、
笑っていればいろんなラッキーが 転がり込むの
このセリフがこの映画で最も好きです。
そして鑑賞後登場人物達の優しさがそう思わせてくれました。
病に冒されながらも元気なふり、身勝手なふりをすることができた石原さとみの原動力はみいたんへの優しさ、みいたんのことを大切に思う気持ちなんだと信じることができました。
卒業式やたくさんのセリフに伏線が散りばめられていてストーリーもとても楽しめました。
ラスト20分は涙が勝手に出てきました。
この映画は実は彼女のおすすめで観てきました。
彼女に3日既読スルーされてますが笑っていればいろんなラッキーが転がり込んでくるって信じています。
何も考えずに観れば良かったのかも。
泣ける映画という先入観を持って観てしまったのがいけなかったのか、全く泣けず、違和感でモヤモヤする映画でした。
まず、家族に相談もなく急に仕事を辞めて「ブラジルで起業するからついてきてくれ(^^)」といきなり言い出す実父の水戸さん。
え?
結局一人でブラジルに行ってしまった水戸さん。。
離れ離れになった実父と娘の手紙のやり取りを完全に阻止する義母の梨花さん、酷すぎる(T_T)
娘を取られるのが心配だとしても...、、
そしてだいぶ後出しで「手紙溜めてました、すみませんでした」と宅急便で送りつけてくる梨花さん。
もう時間は巻き戻せないんだから、それぞれの人生は進んでしまってるんだから、隠し通せばよかったのに、、と思いましたが、新しい家族を作っていた水戸さんに対しても恨むことなく祝福する娘...
お米が足りなくなるくらい家計がピンチなのにお洒落な洋服を沢山買ってくる義母に不安。
(娘の夕飯がパンの耳て...)
そして次の再婚相手は金持ちの寂しい老人。
理由はわかるけど極端すぎる。。
厳しいかもしれないですが、、
事情は分かるんだけど、親たちの愛情というより身勝手なエゴの押し付けに感じました。
実母に先立たれ、実父に置いてかれ、義母にも置いてかれる、という悲しすぎる現実。
後からちゃんと理由がわかるとしても、その時の子供の気持ちを考えると見捨てられ不安でいっぱいになるんでは、大人になってからメンタルこじらせないだろうかと個人的には心配になるような話でしたが、優子が真っ直ぐ育ったので、救いでした。
深く考えず突っ込まず、何も考えずに、純粋な気持ちで観たら良かったのかもしれませんが、結構モヤモヤしてしまいました。
そして、バトンを受け継いだ
2019年の本屋大賞受賞作である“令和最大のベストセラー”小説の映画化。
何やら物語に“秘密”があり、原作既読者からも映画鑑賞者からも感動ポイント。
どんなどんでん返しかと、開幕から色々色々予想しながら見た。
義父・森宮と2人暮らしの女子高生・優子。
父の再婚相手・梨花と暮らし始めた少女・みぃたん。
血の繋がらない2組の親子の物語が交錯して進行。
おそらく、どちらかが過去で、どちらかが現在。これはすぐに分かった。
直感で、梨花とみぃたんが過去。優子と森宮が現在。これは一応当たった。
では、この2組の親子はどんな関係性か…?
まず思ったのは、みぃたんと優子は同一人物。少女時代がみぃたんで、成長したのが優子。“笑顔”とか“ピアノ”とか、繋がるヒント。
…でも、それじゃあシンプル過ぎる。いったんこの予想は置いといて、別の予想。
みぃたんは優子の実母の少女時代。梨花は優子の祖母。
実は3世代に渡る親子の物語。
実際、梨花とみぃたん編では携帯は登場せず、“手紙”などアナログ雰囲気。優子と森宮編では台詞でLINEとか、あるシーンで“平成○年”の垂れ幕とか。
…と思ったら、梨花と森宮が会うシーンがあって、あれれれれ~!?
この線はナシ。中盤辺りから徐々に繋がりが色濃くなってきて、あの結婚式直前の子供いる告白で、遂に真相判明。
みぃたんと優子は同一人物。…って、最初の予想で良かったのかよ!
そういや予告編などで、名字が4回も変わったとか、父親や母親が数人とか言ってたっけ。シンプルに考えたら、そうだよな…。
あれこれあれこれ考え過ぎてしまったけど、お陰で開幕から集中して見てた分、気付いたらこの物語に入り込んでいた。
4回も名字が変わり、父親と母親が数人いるヒロイン、みぃたん=優子。(“みぃたん”の由来は、少女時代、“みぃみぃ”とよく泣いていたから)
実の両親。母親は物心付く前に亡くなり、父親と2人暮らし。“水戸優子”。
父親が梨花と再婚。梨花は血の繋がらない娘のみぃたんを可愛がってくれる。幸せの日々であったが、父親が新事業でブラジル居住を勝手に決め、離婚。梨花に引き取られる。“田中優子”。
苦楽の母娘2人暮らし。自由奔放な梨花は、男を取っ替え引っ替え。時には、年上の金持ちロマンスグレーと結婚。“泉ヶ原優子”。
貧乏暮らしから裕福暮らしを満喫していたのも最初だけ。自由奔放な梨花は窮屈な日々にうんざり。次の相手は、同窓会で再会した真面目さと高学歴だけが取り柄。“森宮優子”。
そんなある日、突然梨花は姿を消す。3人目の父親である森宮との2人暮らしが始まり、男手一つで育てられ、今に至る。
実に名字変わり4回、父親3人、母親2人。何と波乱万丈…。
本作もシリアスだったらかなり訳あり。
でもそうならないのは、ヒロインの健気さ、“親たち”の惜しみない愛情、そして本当の秘密…。
辛い事や嫌な事があっても、笑顔絶やさない優子。
それ故男に媚びていると、クラスの女子からは嫌われ者。
将来も悩み中。料理好きだから、料理の道へ進もうかな…。
今は卒業式で弾く事になったピアノに苦戦。ピアノを弾いていたのはみぃたん時代。猛特訓中。
そんな優子が周囲と触れ、自分や将来を見出だしていく。
料理好きになったきっかけは、料理得意の森宮の影響。いつも美味しい料理で心を満たしてくれる。
ピアノの特訓で知り合ったピアノの才能に恵まれた同級生男子・早瀬。お互い、心惹かれる気になる存在に…。
クラスの女子とソリが合わなかったが、事情が分かり、打ち解けると…。友達が出来た。
笑顔を絶やさない理由は、梨花の教え。
女の子は笑っているとより可愛くなる。笑っていると、幸せがやって来る…。
あまり訳ありの過去を振り返らず、こだわらないで生きてきた。
でも、森宮が早瀬との結婚を反対に、過去とまた向き合う…。
その過程で改めて気付く。
料理もピアノも笑顔も、親たちの影響、教え、出会いで今の私がある、と。
その過程でもう一つ、改めて気付く。
もっと早く再会したかった。
またもう一度、会いたい。
実父との再会。すでに実父は再婚し子供もおり、会うべきか躊躇していたが…、森宮の背中推しで決心。
実父は片時も忘れた事なかった。
自分もやはり、会いたかった。
再婚相手もいい人。子供も可愛い。
森宮もそうだが、出てくる人たちは皆、いい人ばかり。まるでファンタジーの住人。
2人目の父親の泉ヶ原なんて、リアルだったら相当可哀想。本人も怒っていいレベル。
なのに皆、優子の事も梨花の事も好き。
その泉ヶ原のある台詞にズバッと心打たれた。
「僕が梨花さんを好きな理由は、梨花さんが心からみぃたんを愛しているから」
こんな事を言えるなんて、スゲェ…。って言うか、そうだよな…。結婚した相手は、一人の親。その親が子を心から愛して当たり前。そうでなきゃ、家族になれない。
水戸も泉ヶ原も森宮も、梨花を好きなのは魅惑的な女性だからではなく、愛に満ち溢れた母親だから。
優子もそれをみぃたん時代から直にその肌で感じてきた。
じゃあ…、何故突然いなくなった…?
梨花は子供が出来ない身体。
だから、結婚した相手に子供がいたら、全身全霊全力で愛す。
ブラジルに行った実父・水戸からの手紙を渡さなかったのも、みぃたんが父恋しくならないように。みぃたんが自分から離れていかないように。それ故酷い嘘も付いた。
泉ヶ原との結婚も、みぃたんがピアノをやりたかったから。
森宮との結婚も、みぃたんに美味しい料理や平凡な家族を与えたかったから。
かなり強引。何て理由だ…と思う事も。
でも、それだけ“我が子”一番。みぃたんの為なら何でもする。
最大の謎。突然いなくなった理由。
ここまで子を愛する親ならば、その動機は何となく察しが付いてくる。
病気。
看病させる苦労をみぃたんにさせたくない。
苦しむ姿をみぃたんに見せたくない。
そんな思いにさせるならば、恨まれてもいいから、今も男たちを取っ替え引っ替えして、自由奔放に“生きている”方がいい。嘘を付いてまで。
そりゃないよ…。看病だってするし、昔も今も、苦楽を共にしたかったよ…。
だって、大好きな私のママなんだから。
それに、成長した私を見ていて欲しかった。
…いや、見ていた。
卒業式。ピアノを弾く姿を。こっそりと。
ママや親たちからの愛をたっぷり受けて育った今の私の姿を。
原作ファンで優子役を熱望したという永野芽郁の好演。
みぃたん役の稲垣来泉の可愛らしさ。
岡田健史も好青年。
田中圭、大森南朋、市村正親の三者三様の父親。不器用な大森/水戸パパ、紳士な市村/泉ヶ原パパ。
中でも、ちと頼りなさげで何かと父親奮闘するけど、時々空回り。だけど、美味しい料理とこれ以上ない優しさで満たしてくれる田中/森宮パパ。
男を虜にする魅惑の美女で、自由奔放な女性で、愛情深い母親。その魅力を存分に発揮した石原さとみ。
キャストたちのアンサンブルが心地よい。
本当に心地よい。
伏線や秘密明かしもあるけれど、はっきり言って話はご都合主義で、非現実的。
片親の都合で散々振り回された子供時代。成長してからの影響などあっても良さそうなものの、悪影響はナシ。超甘々のファンタジー。
だけどそれも含めても、この優しさ、温かさ、人と人の繋がり、家族愛が本当に心地よい。
見た後は幸せな気分に浸らせてくれる。
高級ではなく、それこそ森宮手作りの口に合った料理を食べたように。
『老後の資金がありません!』に続いての前田哲監督作。
あちらが軽快コメディなら、こちらは『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』路線の感動ハートフル。
本作でもまたまたその振り幅に感心すると同時に、『バナナ』『老後』『バトン』と連続良質ヒット。
ラストにシンクロするタイトルの意味。
子供時代、リレーでバトンを落とした事のある森宮。しかし今回は、バトンを落とさなかった。
“父親”としてヴァージン・ロードを“娘”と歩き、“家族愛”というバトンをしっかり受け渡す。
実に5回目の名字変わり。“早瀬優子”。
人一人の歩みって、本当にたくさんの人たちの支え、教え、愛がある。
それらを一身に受け、このバトンを繋ぎ渡していく。
バトンはしっかり渡された
序盤にみぃたんが優子(永野芽郁)であることに気付いた人は多かったのではないでしょうか。
そして物語の中盤に久しぶりに登場した梨花(石原さとみ)の髪がなくなっていることに、「梨花は病気だったんだ」と気付きました。
優子は梨花はどこかでフラフラして生きていてまた会えると思っていたのに、結婚報告する前に実は梨花が病気であったこと、そして突然の死の報告を受けて血縁関係のない育ての父親である森宮(田中圭)を責めるんですよね。
でもそれは誰が悪いわけでもなく梨花が望んだことで、優子に気付かれまいと必死に隠し通した母親としての想い。
実の両親に育てられたわけではないのに、ここまで純粋に真っ直ぐに良い女性へと育った優子。
血縁関係のない親たちの優子への愛情に感涙しました。
原作から余計な変更が多くてツッコミどころ増えた
色々と細かい所を原作と変えているが、余計な変更が多すぎて、ツッコミどころが多い。
子供よりも自分の夢を選んで外国に行ってしまう実父はサイテー。単なるバカ親に見えた。こんなの、優子が『私は父に捨てられた』って思うような重大案件。
子供がいる事を披露宴当日まで隠していた梨花がやってる事は詐欺師レベル。
それをのほほんと受け入れる森宮さん、こんな人いるかよ?
いじめていたクラスメイトが手のひら返して優子に近づき、それをなんとも思わずに優子は受け入れて仲良くなる。ここまで来ると、優子が単なるお人好しのバカに見えてくる。
原作の
『やむを得ず外国に行かざるを得なくなった実父の苦悩』
『子供を安心して託せる人を命懸けで探した梨花の意志』
『子持ちなのを知りながらも結婚を決めた森宮の決意』
『友達が何よりも優先と思いがちな10代において、優子は友達は優先ではないと考えるに至るまでの優子の複雑な生い立ち』
この要素って『家族のつながり』を描いている映画なら、このような変更をすべきではなかったと思う。
映画もそれなりに感動物語ではあったけれど、なぜこんな余計な変更をしちゃったかなぁ。
必ずしも原作に忠実にする必要は無いと思うけれど、これなら変更しない方が良かった。
ただ、この映画自体は好きです。キャスティングも素晴らしいと思いました。
感情移入は無理でした。
3人の女性が主軸となって物語が進んでいました。
ですが、結局のところ『りかさん』に振り回される人々の物語のように感じました。
まずこの人に感情移入するかいなかで、この映画を感動作と嘯けるか否かで分かれると思います。残念ながら私は圧倒的後者でした。
『りかさん』が個人的な欲求のために水戸さん(みいたん=優子のぱぱ)と結婚し、海外にいくと優子が可愛そう(それは分かる)という理由で親子を離れ離れに。そうかと思えば、優子のためにとお金持ちの人と再々婚し、時期が来たら優子をおいていく。再々婚相手の泉々原さんもだが、実父もいないなか1番信用していた人に置いていかれる優子が可哀想だった。そして次は、エリートで貯金のある森宮さんと再々々婚し再度置いていく。
要するに、男性方はりかさんの欲求を満たすための手段でしかなく、自分のことしか考えていない女だと思いました。
登場人物みんな脳内お花畑すぎて、「それでも君(優子)をりかさんは愛してたんだ」みたいなセリフを言っていたが実の親子を引き離した上に音信不通に意図的にさせる、寂しい老人の優しさに漬け込む、初婚の男性に子供がいることを隠し、強制的に父親にさせた上に子育てをさせる、、、
見ていた人は泣いていた方もいましたが、私はりかさんの身勝手さに呆れて終始失笑でした。
「ここで泣かせるぞ!」みたいな演出もお笑い種です。お金を払ってみたことに対して悔し涙はでましたけども。
深い
長文失礼します。
もともと、この小説が好きで瀬尾まいこさんを好きになるきっかけの本でした。
本を読んだ時も後半は涙涙で声を出して泣きましたが、映画は映画でとてもよかったです。
愛の形にもいろいろあって、梨花の不器用な愛も田中圭さんが演じる父親も全てが素敵でした。
瀬尾さんの本はいつもみんな違ってみんないい。と言っているような気がします。
細かいところにも一つ一つ意味があって、親子で料理を作るシーンはほんとに親子だって思いました。語彙力なくてすみません。
血の繋がりだけじゃなくて、子を大事に思うことバトンをしっかり受け取って責任をもつことがとても感動的でした。
梨花のがむしゃらの愛も憎めず、あなたがいたからみんなが繋がったんだと思えました。ほんとに素敵な映画で見る人によって見方も考え方も違うと思います。
私は親からの愛を再確認できた映画でした。
家族映画の最高峰と言っても差し支えない
レビューサイトでの評価が非常に高かったため鑑賞しました。原作小説は未読です。
鑑賞後にYouTubeでレビュー動画を探してみたら意外にも酷評が多いみたいです。レビューサイトは評価めっちゃ高いのに、なんだかギャップがありますね。原作が本屋大賞を受賞するほど人気の作品で、どうやらその原作小説から改変されている部分が結構あるみたいです。本作の肝の部分であるラストの伏線回収は映画オリジナルのようですね。軸となるストーリーは一緒なんですが、構成を変えることでまるでミステリのような伏線回収が繰り広げられるように改変されていて、その部分を「原作の雰囲気が壊れている」と感じてしまう人が結構いたみたいです。最近の邦画にありがちな安直なお涙頂戴に見えるシーンも正直あったので、そういうところが嫌われる原因なのかなぁ…。
しかし私個人はめちゃくちゃ楽しめました。本当に面白くて、家族映画の最高峰と言っても差し支えないレベルに気に入った映画です。キャストの演技、脚本やストーリー、演出に至るまで、挙げればキリがないほどに気に入った部分が多かったです。小説を読んでいないため「小説と違う」と憤慨する原作ファンの気持ちは推し量ることしかできませんが、原作を知らない身としては「一つの映画として観れば泣いて笑って楽しめる作品」という感想です。
予備知識は無い方がいいかもしれません。できれば予告編も観ないほうがいい。まだ観ていない方はこのレビューも今すぐ閉じた方がいい。そして今すぐ観てきて欲しい。面白いのは保証するので。
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幼いころは泣き虫で「みぃたん」というあだ名で呼ばれていた高校生の森宮優子(永野芽郁)は、両親の離婚や再婚によって4度も名字が変わり、現在は血のつながらない父親である森宮(田中圭)と生活している。クラスに馴染むことができないでいた彼女は、卒業式でのクラス合唱のピアノ奏者を半ば強制的に押しつけられてしまう。しかしピアノの練習をきっかけに天才的なピアノ奏者である早瀬(岡田健史)と仲良くなり、優子は早瀬に惹かれていくのだった。
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「みぃたん=優子」というのは映画後半で明かされるどんでん返しらしいんですけど、私は一番最初のシーンで「みぃたん=優子」だと気づいてそれが前提条件のように鑑賞していました。『アヒルと鴨のコインロッカー』とか『佐々木、イン、マイマイン』みたいな感じで現在と過去を交互に見せている演出なんだろうと思って観ていたので、普通に鑑賞後に他の方のレビュー見て「あれって別々の家族のように見せる伏線だったのか」って逆にびっくりしました。
登場人物全員が良い人でほっこりします。
主人公の優子も名前の通り優しくて思いやりのある子ですし、彼女の親代わりになっている森宮さんは言わずもがな。「歴代お父さん」「歴代お母さん」がみんな良い人ですね。
映画化もされた伊坂幸太郎の作品に『オー!ファーザー』という小説があるのですが、それとちょっと似た印象を感じました。
『オー!ファーザー』は母親の浮気によって父親が4人もいる高校生が主人公で、全く性格の違う父親たちとの交流によって主人公が色んなものを学び、成長していくという物語です。
本作の主人公である優子も、3人の父親と2人の母親から多くのものを吸収し、成長していきます。一見すると複雑で不幸な家庭環境のように見えますが、優子自身は全く不幸だとは感じておらず、むしろたくさんの愛情をしっかり受けついだことで、愛情あふれる優しい女性に成長できたのだと感じます。
自分も親の一人として優子の成長を見守っていたかのような、そんな気分になる素晴らしい映画でした。オススメです!!
しっかりと泣けます。
映画は、二つの家族のストーリーが進む。
すぐに泣く主人公優子(永野芽郁)は、みいちゃんとみんなから呼ばれ、実父はチョコレートの原料カカオを栽培する夢を追いかけ、単身ブラジルへ。実母を幼くして亡くしていた。
実父の再婚相手になった梨花は、ストーリーが進まないと病気である事をひた隠し、なんとか優子を再婚相手の裕福な新しい父(市村正親)に、ピアノの基礎を教われる環境をもらい、
新しい父は少し歳を取っていたため、3番目の再婚相手森宮さん(田中圭)と再婚し、優子を預け、隠れて闘病のためいえをでます。
ずっと、小さな子供(みいちゃん)と高校生の永野芽郁のストーリーが並列化で進むので、違う話が最後に繋がるんやろと思っていたが、なんとみいちゃんが大きくなった優子であり、
闘病後、梨花は亡くなっていた事を知る。
ここで大泣き。素晴らしい展開だわ。観て良かったぁ。
ちょっと白けた
やわらかで自然体な永野芽郁さん、フレッシュさ溢れる岡田健史さん、若者2人の存在感は素晴らしく、見ていて応援したくなった。一方で「隠れ主役」の石原さとみさん、田中圭さん、そして市村正親さんはいずれも個人的にはトゥーマッチな演技で、途中からはあざとすぎて胃もたれし、アレルギー反応が出てしまった・・・ いずれも名だたる俳優さんなので、きっと彼らの責任ではなく、監督や演出と自分の相性がダメなんだろう。オープニングの日テレのロゴで嫌な予感がしたのが、残念ながら当たってしまった。
父親3人、母親2人という複雑な物語を、永野さんが抑制の効いた演技でうまく表現していて、後半はグッとくるシーンが幾つもあった。ただ、ラストで「バトン」の意味が明かされた瞬間に、正直拍子抜けしてしまったのは自分だけ?(小説は未読) 安易に「女性蔑視」という言葉は使いたくないけど、あれだけ運命に翻弄されながら懸命に生き抜いてきた優子が主人公かと思ってたら、じつは「バトン」というモノ扱い。主人公は彼女(大切なモノ)を支えてきた人達が主人公だったと分かり、「なんじゃこりゃ」と白けてしまいました。彼女=バトンの「意志」はどうでもよいのか、バトンは自分一人では前に進めないと言いたかったのか…等々、観終って一人でぐるぐる考え込んでしまった。
周囲の人々が彼女に注ぐ愛情は(クセはあれど)素晴らしかったと思うが、個人的には無味無臭なモノ(バトン)よりも、自分の意志で奔放に生き抜くヒトの方に興味があるので、光るものはあれど全体的に低評価の作品とさせてもらった。
落とさなかったバトン??
結婚して、ハッピーエンドなのか笑笑
その後のストーリーまでサクサク言って欲しかった。
個人的には、サクサク飛ばして、結婚、離婚さらに、主人公の子供のその先まで
言って欲しいとか。笑笑
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