そして、バトンは渡されたのレビュー・感想・評価
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ひとこと言いたい「ずるいよ」
他人の人生の転機に立ち会うことはそれほどない。あったとしても、そのときはそれと気づかず、あとになって、そういえばあの時があの人の転機だったのかと思うことはある。ただ、明らかに他人の転機に立ち会っていることを自覚する時がある。結婚式だ。
新郎新婦のふたりだけではなく、親や兄弟姉妹、祖父母、場合によっては息子や娘など、ふたりに深い関わりのある人たち全員のそれまでの人生が垣間見える。そこに結婚式の感動がある。少し前に当方が参加した結婚式で、父ひとり娘ひとりで生きてきた父が、花嫁姿の娘に向かって「娘よ」を歌ったときは、家父長的な歌だと知りつつも、思わず感動して泣いてしまった。
秋篠宮家の眞子さんは結婚の儀をやってもらえなかったが、儀式としての結婚の儀はなくても、一般人として普通の結婚式をして、みんなから祝福されてほしいと願う。眞子さんだって同じ人間だ。たまたま皇室に生まれただけなのである。
さて作品であるが、全体として何かダレるところがあった。五七五の俳句で表現できるところを、五七五七七の和歌で長々と語ってしまった感じなのだ。
本作品のキーワードは作り笑顔と「ずるいよ」という台詞だと思う。作り笑顔については、ホラー映画を作り笑顔を浮かべながら観ると、怖さが半減するという実験の通りである。つまり脳は自分の身体からしか情報を得ることができないので、作り笑顔を浮かべると自分は笑顔だから大丈夫なのだと受け取り、恐怖心が薄まるというメカニズムなのだ。
石原さとみの演じた梨花がみぃたんに教えたかったのは、まさにそういう脳のメカニズムだ。もちろん梨花がメカニズムを知っていたわけではない。しかし「女の子は笑顔で可愛さが3割増しになる」「笑顔でいるとラッキーがやってくる」といった台詞から、女の笑顔の威力を本能的に理解していたことがわかる。それは知識として知っているよりもよほど強力である。
みぃたんもやはり本能的に義母の言うことを理解したのだと思う。笑顔はみぃたんの精神安定剤であり、みぃたんの強さである。それを維持しつづけたことで、みぃたんは誰とも争わない優しい高校生に育った訳だ。誰のことも責めないし、責められても柳に風と受け流す。みぃたんの本名は当然、優子でなければならない。
その点を考えると、優子が森宮さんを非難したシーンには違和感を感じる。予告編で流れたあのシーンだ。優子の性格からは、あのシーンは生まれない。原作にもあるのかどうかは読んでいないので不明だが、あったとしてもカットしていいシーンではないかと思う。
作品全体として微妙にダレるようなところがあったのは、そういった無駄なシーンと冗長な台詞をカットできなかったところに原因があると思う。
ただ「ずるいよ」という短い台詞は、二度ほど胸のすくタイミングで使われていて、このふたつのシーンは見事だったと思う。他のシーンでももっと台詞をカットしたり短縮できたりする部分がたくさんあった。
前田哲監督は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」でも冗長な台詞が多かったが、大泉洋と高畑充希という芸達者のおかげで上手にまとまった作品になっていた。しかし本作品は役者がカバーできる以上に冗長なシーンが多かった。特に田中圭が演じた森宮さんがタイトルの意味を説明する無駄に長いセリフが最後にあった。登場人物がタイトルの意味を説明してしまうと、観客の想像力を削いでしまう。森宮さんと早瀬くんが眼を合わせて頷くだけでよかった気がする。
ピアノのシーンはよかったと思う。早瀬くんが弾いたショパンの「英雄ポロネーズ」がとても力強くて感心した。少し前にサントリーホールで及川浩治さんが弾く「英雄ポロネーズ」を聞いたが、同じくらいの力強さだった。
ラストも泣き虫のみぃたんで終わるのかと思ったが、最後の最後は、母の言いつけを守って満面の笑顔を見せる。おかげで、永野芽郁の渾身の泣き顔と、力一杯の笑顔が印象として残る作品となった。当方もひとこと言いたい。「ずるいよ」
多様な家族のほっこり愛
まず、前半での疑問が後半で徐々に明かされていったり、前半での何気ない2つの家族の日常が後半でかけがえのない日常であったことに気付かされたり、前半と後半のメリハリがはっきりしています。
良い意味で展開が単純なので、分かりやすく、物語に引き込まれやすかったです。
また、多様な家族のかたちが描かれ、どんなかたちでも愛で繋がれば、家族なのだと感じました。
優子と森宮さんの掛け合いや、梨花とみぃたんの関係といったシーンは、ほっこりして安心できました。何気ない日常がどれほど有難いことなのか、深く考えさせられました。
永野芽郁の笑顔がとにかく良い!
彼女、確かに可愛いけど、石原さとみのような正統派美人とはちょっと違う。
どちらかと言うと、素材的には地味な方なのかも。
ただ、混じりっ気のないピュアな笑顔がとにかく魅力的。
常に笑顔を心掛けてるという、この役柄にピッタリ。
ストーリー自体は言葉悪く言えば、不能女がたまたま手に入れた義娘と共に鼻の下を伸ばして次々と言い寄ってくる野郎共を取っ換え引っ換え乗り移りながら奔放に生きていくという、どっちもどっちのどうしようもない人達が織り成す物語。
ただ、主人公のみぃたん(優子)を愛おしく思っているのが皆に共通している。
だからか、不思議と嫌悪感は薄められ爽快感さえ覚えた。
そういう意味では王道路線から少し逸れた変化球気味の感動物語。
それにしても、大森南朋はすっかり冴えない中年オヤジの役が板に付くようになった。
以前は「ハゲタカ」の鷲津政彦のイメージが強過ぎて、ビジネスマン以外の役の時は違和感があったがようやく鷲津の呪縛から開放されたような印象(あくまでも個人的な主観だが)。
奔放な美人と優しい男たち
4回目(以上?)の視聴。
自分の適当さに感謝する。
何度見ても涙が駄々漏れする。
今回新たな泣きポイント。(笑)
泉が原さんとの別れのシーン、
みーたんが彼に抱きつきに行くシーン
どう見たって、不自然な家族関係だったのに、
感謝他が溢れたシーン。
それにしても、いつも適当に見てると気付いた。(笑)
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アマプラでお薦めされたので、再視聴。
りんご農家のお父さんに会いに行ったシーン
『みーたんなのか?』と声をかけられて
『分かるの?』と返信したシーン
我が身に置き換えて、反省(?)した。
30年振りに息子に会った時、分からなかった。
本当にごめんなさいでした。
ここで懺悔しておきます。m(_ _)m
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DVDが出たので再視聴。
ヤバい、内容が分かっているだけに
最初の方から泣きっぱなし。
優しさが溢れてました。
でも再視聴で気付いた、“どーなの?”って点。
結婚式で遺影を持つなら、生みの母の写真も
持とうよ~。(-_-;)
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《奔放な美人と優しい男たち》
って感じで進んで行きますが、
その目的に全員が同意すれば、
他人には不自然に見える関係も
成立するんだと感じます。
どこが泣かせるシーンなんだろう?
と思いながら見ていたのですが、
いつの間にか涙がでてました。
でも、石原さとみさんと永野芽郁さん
だから成立する話だなと、突っ込んでいる
自分も同時に居ました。
タイトルなし
永野さんが好きで見た。瀬尾まいこさんの原作なんだ。娘を奪われる不安で父親と離すという設定は倫理的にどうかという点はあるけれど、主人公が母を選んだというところはポイントかもしれない。
原作と違うという声があるのは気になる。
石原さとみの健気さと奔放さの共存の役に説得力があり、勢いがあり(それは反転だと後でわかる)きれいで良かった。
永野は、半分青いのときの逆境を生ききるたくましさがここでも生きていた。そしてたくさんの人から愛される役柄にも説得力があった。また、子役がとても良かった。
岡田は役不足。大事な役どころなのに、作品を損なっていた。でしゃばりすぎな感。
お父さんを無理にやろうとする感じの田中圭はよく、そんなお父さんをナチュラルに揶揄する永野が良かった。
卒業式のピアノはとても良かったけど、シーンが長いなと思ったら、そういう伏線だったんだ。
歳のせいか涙腺が弱くなって弱くなって、なんか俺だけ号泣してたような・・・
なかなか良い映画でした。
やっぱり、子供は娘がいいな〜
たとえ、血が繋がってなかったとしても・・
うちは息子2人なので、娘の気持ちはわからないけど、良い娘で涙が止まりませんでした。
あまり、書くとネタバレになってしまうので見てください。
最初はなんてひどい母親なんだと思ったけど、本当の母親より愛が深かったような!
それより、田中圭さんのお父さん役は、良い人過ぎるやろ!
最近は実の子供でも虐待する親がいるのに!
俺も第二の人生は娘のいる方と再婚するぞ〜
まずは、皆さん見てください。
最初は時間軸に翻弄されましたが・・・
久しぶりに号泣しました。
周りでは俺だけだったけど、子を持たない方も是非見てもらいたいです!
永野さん、石原さん、田中さん、市村さんが良かった。演出・テンポよく...
永野さん、石原さん、田中さん、市村さんが良かった。演出・テンポよく、少しミステリ仕立てで楽しめた。永野さんのピアノに味があった。
キャスティングが良かったので気持ちよく泣かせていただきました。
話の展開も素直な主人公にも自然と涙が溢れ出る、素敵なお話だった。
ただ奔放な母親を美談とするのはどう捉えても疑問を感じずにはいられない。
愛され上手って事なのかな。
有終甘美
ある意味、極上のミステリー。
見事に騙され、涙でぐちゃぐちゃになりながら最後はストンと落ちた。
前半はとてつもなく冗長。
年代は違えど同じような境遇の家族の日常がだらだらと垂れ流される。
まさか、当然予想される内容で2つを結びつけて終わりじゃないよね?
との不安が胸をよぎる。
だが、それでは辻褄の合わないことがちょいちょい挿入される。
そして、その通りの流れに。
ふぅ~、浅くて薄い内容だったな~と嘆息したのだが、大短慮!
ここからが本番だった。
まずは3人の父親の愛に涙。
とくに、市村演じる父親は存在感抜群。
心に深々と染みた。
そこに至っても石原演じる母親の真実にはたどり着いておらず、
それがわかってからの展開は今季一番の盛り上がり。
コロナ対応が終了して1席間隔を空けなくなってしまったので、
すぐ隣に座っている妻に気兼ねして存分に泣くことができなかった。
いなかったら涙腺崩壊、号泣ものだ。
館内では方々から女性の?すすり泣きが聞こえており、
泣いてもかわいいと思ってもらえる女性をうらやましく感じた。
やはり、この手の映画は一人で堪能したいなぁ。
いやぁ~、映画って本当にいいもんですね、と改めて思った。
満点でも良かったが、仕込みとは言え前半つまらなすぎた分-0.5。
みぃたんが良かった
血のつながらない親の間をリレーされ、これまで4回も名字が変わった優子(永野芽郁)は料理上手な義理の父・森宮さん(田中圭)と2人で暮らしていて、卒業式にピアノの伴奏、旅立ちの日に、を練習していた。一方、夫を何度も変えながら自由奔放に生きる梨花(石原さとみ)は、泣き虫な娘みぃたんに精いっぱいの愛情を注いでいたが、ある日突然、娘を残して姿を消してしまった。
みぃたんはどうなる・・・てな話。
実の親から親権を取るなんて現実にはなかなか無いだろうと思うが、良い話だった。
永野芽郁と石原さとみが良かったが、みぃたん役の稲垣来泉も良かった。
原作の深みを2時間ほどで表現するのは、なかなか大変だと思いますがそ...
原作の深みを2時間ほどで表現するのは、なかなか大変だと思いますがそれなりに楽しめました。後半の部分にたっぷり時間をとってましたね。
主役の3人が見事にハマっていたなー。田中圭さんは特に良かったです!
親父世代にはかなりツライ作品
結婚や恋愛に憧れがないと後半は全く感情移入出来ず。
親子関係も役者のせいかリアル感がない。
多分小説では地味な描き方をしてるのだろうが、この作品の登場人物描写の全てに無理があり過ぎて全く泣けず。
大人の男性ならこんな判断は絶対しないの連続でした。
オススメしないです。
女性は泣けるのかな?
神映画 見るか迷ってるなら絶対見た方がいい
ほんとに凄かった。
原作のままやらなくて正解だったと思う。
本だと凄くいいけど、映画だとなんか違うってことがよくあるんだけど、原作と少し変えることによって上手く映像化されていた。詰め込んだ感もなかったし、すごい満足できた。
役者さんもみんな演技が上手くて最高。
石原さとみさんってあんな演技上手いんだ。今回の役結構はまり役だった気がする。なんか今までとは違った1面を見れた感じですごく良かった。
田中圭さんもほんっと演技が上手い!!
永野芽郁ちゃんはもうさすがとしか言いようがないし、
子役の子の演技が天才すぎた。
ほんとにいい映画でした。今まで観てきた映画の中で私的に一番良かったです。
【人間讃歌】
愛する人がいて、どうしても隠し通さなくてはならないことがある。
どうしても。
僕は、この原作を読んでいて、所謂、ネタバレ状態だったのだけれど、そもそも原作も読み進めている最中も、あれ!?、何!?、何で!?とか、そんな「!?」が続いて、最後に色々なことが明らかになるという構成で、この映画は、そんな雰囲気やストーリーをよく伝えていると思う。
原作を読んで、不覚にも涙してしまうのだが、映画は大丈夫だろうと思って、それでも涙してしまって、これは、「きみの膵臓を食べたい」の時と似た体験だと思ってしまった。
愛する人がいる。
どうしても隠し通さなくてはならないことがある。
どうしても。
そして、それを理解する人がいる。
なんとか、その希望を叶えてあげたいと支える人がいる。
なんとかして。
そして、感謝する人がいる。
感謝しても、し尽くせないかもしれない。
でも、感謝の気持ちは、記憶としてずっと残り続けるのだ。
結果は、100点満点じゃないかもしれない。
でも、合格だったら良いじゃないか。
この作品は、僕は、人間讃歌だと思う。
※ 石原さとみさんの推移を注意して見ておいて下さい。ヒントです😁
現実ではそうはいかないだろうなという部分がちらほら出てくるけど、自...
現実ではそうはいかないだろうなという部分がちらほら出てくるけど、自分はそういうのは許容できるので問題なし。
ただ、ミスリードを誘うためだけのシーンがあって、そこさえもっとうまく作ってくれてたらいう事なかったかなー。
愛嬌あって美人な梨花役に石原さとみがピッタリ
文庫本で読んではいたけど、その時はあまり感動しなかったんよね。
そして映画ですよ。まさにキャスティングの勝利。
梨花は奔放で大金持ちのオジサンから東大出のマジメ会社員まで落とす役。
そうなると愛嬌があって美人じゃないと成り立たない。
その役が石原さとみ、納得のキャスティング。
翻弄されながらも普通に生きていく主人公が永野芽郁っていうのもいい。
大感動では無いけれど、後半じんわりじんわりと涙出る。
ストーリー展開が秀逸‼️
原作は未読ですが、映画は2回鑑賞。
1回目は、4人の話が別々に展開していくので、どうなってるのか、理解に苦しみましたが、やがてそれぞれの話が繋がっていくと、まるでパズルが解けたような喜びがありました(^-^)/
2回目は、4人の関係はわかっていたので、それぞれの内面に秘めた感情に焦点を当てて観てましたが、1回目には理解できなかったそれぞれの思いがヒシヒシと感じることができました😢
特に、自由奔放で身勝手だと思えた梨花の言動が、1回目と2回目では、全く違いましたね😅
それと、「バトン」の意味がわかったとき、ようやく腑に落ちた感じがしました🙆
いずれにせよ、なかなか良くできた作品かなと思います🈵
追伸
だいぶ時間が経ってしまいましたが、原作を読んで、もう一度DVDで鑑賞しました😊
映画は、原作とは違い、「森宮さんと優子」、「梨花さんとみぃたん」という二つの親子の物語として始まり、やがてその物語が重なりあうという構成にされたようですが、それがとても良かったと思います🙆
その他、原作にはない場面や設定になってますが、原作も映画もどちらも良かったです🈵
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