「血の繋がったお母さんの存在」そして、バトンは渡された ナナミさんの映画レビュー(感想・評価)
血の繋がったお母さんの存在
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物語の構成、演出、演技、どれを取っても心が揺さぶられる素晴らしい作品でした。
親が何人いても、家族の形がどうであっても「愛されてきた実感」があれば、
それが“ちゃんとした家族”だと教えてくれる、優しい映画です。
でも、どうしても言いたいことがある。
ラストの集合写真で、優子を産んだ母親の写真だけが「ない」ことに強い違和感と悲しさを感じました。
2番目のお父さんは亡くなった梨花の写真をしっかり持っていたのに、
血の繋がったお母さんの写真は誰も持っていなかった。
血の繋がったお父さんはちゃんと写っていたのに、“命をかけて産んだ母親”だけがいないのはあまりに寂しすぎます。
「命をくれた人」の存在をなかったことにして、笑顔で写真に収まるって……それ、本当に全ての“バトン”が繋がったって言えるんでしょうか?
優子が今ここにいるのは、育ててくれた人たちのおかげだけじゃない。最初に命を繋いでくれた人がいたからです。
だからこそ、あの場に写真の一枚でもいい、残してほしかった。
惜しい、本当に惜しい。
泣いたのに、最後の最後で「一人の存在」が無視されてしまったようで、胸がぎゅっと締め付けられました。
あの一枚があれば、きっと星5をつけてたと思います。
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