「早瀬くん、君は絶対にアンカーでないと不可ません。」そして、バトンは渡された すのうまるさんの映画レビュー(感想・評価)
早瀬くん、君は絶対にアンカーでないと不可ません。
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このバトンは、愛情のバトンだったのですね。
この映画のいいところは、展開よりも登場人物の行間でした。
こんなに破天荒な生活を児童期にさせていたら、グレてもおかしくない。
グレてはいないが、聞き分けとおさまりのいい優子は、青春期の女の子らしくなく、同級生から嫌味を言われる対象でした。
優子はあまりにも、素直で優しく、しなやかに生きてきました。
それは、優子を囲むすべての人が、その人たちならではの愛情を注いでいたからなんですね。
その中でも特に、梨花からの愛情が深く、そこは涙なしでは見られません。
実際に母親を憎んでいないことが何よりの証拠です。
ピアノのきっかけはみーたんの友達がやってたからかもしれませんが、実現させた梨花がいるから、早瀬くんとも接点が生まれたんですよ。
梨花があの時動いたから、数年後、卒業式にも来られたんですよ。
梨花さんは最高の母親です。
梨花は、みーたんがいなければ
バトンを誰かに託すことも、渡すことも
育むこともなかったはずです。
今度はみーたんが、誰かに託す番なのですね。
個人的にエンドロールが好きです。
泉ヶ原優子の時の、父親と映る表情のぎこちなさからの、数年後優しい笑顔で撮影している関係性の変化にやっぱり涙が止まりません。
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