劇場公開日 2021年10月29日

  • 予告編を見る

「身を委ねて素直に泣きましょう」そして、バトンは渡された nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0身を委ねて素直に泣きましょう

2021年11月1日
Androidアプリから投稿

泣ける

原作は2年前に本屋大賞を取った有名な小説なんですね
いつもの事ですが全然知りませんでした
ベタでも泣かせてくれそうな映画を観たい時ってあるでしょ
いや、永野芽郁ちゃんのファンです
ハハ、いい訳する歳か
恥ずかしい

序盤から映画好きにはたまらないヒントをチラチラと見せて謎解きを楽しませてくれる
後で知りましたが原作もそんな感じなんですね
なるほど演出だけじゃないから解きがいがある

石原さとみとみーたんの会話で先が見えて
うっと嗚咽が出てしまった
先が読めてつまらない時もありますが、こういう伏線は悲しすぎる

この辺りで二つの物語の関わりも二択までには絞れました
”雨に唄えば”のような演出も楽しかった

卒業式の二つのショット
ああ、この映画は母親の話なんだとわかりました
答え合わせが始まると

伏線の回収で男達がなぜ、あんなに理解があるのかも納得できました

奔放な母親が連れ子に固執するわけがわからなかった
あれじゃ大森南朋の方が結婚に向いていない男ですよ
なるほど理由はあったんですね
彼女の先の運命もこれが原因ですからね
なんとも悲しい
ベタですけど

他には
手紙の役割など母親の行動もベタすぎで既視感ありありなのが少しマイナスかな
あとバトンの思い出もタイトルにするには軽すぎる

それに、市村正親以外の男達が情けない
大森南朋は家庭より夢を優先するし
田中圭はなんの生き甲斐も見つけられなかった男

岡田健史も大森南朋と同じですね
ただ、彼の場合は才能に関係なく好きな事をやっても良かったかなとも思います
原作作家の人生観が顕著にてていると思いました
けっこう保守的でつまらない
以前にも書きましたが、僕はアインシュタインがケーキ屋さんになりたかったらそうすればいいと思う人間です
そのために相対性理論が生まれなくて、人類の進歩が100年遅れようがかまわない
進歩に到達点なんてないんだから
ヒトは好きな事をあきらめる必要は無い
と思うんです
でもまあ、海外まで料理を習いに行った岡田健史ですが、ピアノ漬けに飽き飽きして親に反発したかっただけのおぼっちゃまという事で、情けない男の一人に加えて納得しましょう
だいたい、高校生にみえんやろ
どう見ても新任教師
嫉妬しかない

好きなのは
永野芽郁のピアノ伴奏で田中圭が歌うシーン
冒頓(ぼくとつ)として良かった
(アマプラで”さよなら歌舞伎町”を観て前田敦子の下手くそな”月のあかり”に腹をたてたばかりだったので余計にね
ほんま歌手とは思えんよ、あの娘は)

そして
永野芽郁がバージンロードを歩く時の目を伏せた顔が美しかった
石原さとみの最後のシーン(市村正親と並んで座って演奏を聴いているシーン)も年相応でキレイ
そろそろ落ち着いた役どころを演じるべきです

いい涙を流させてもらいました
今日はこれ一本でおなかいっぱい
彼女はいい母親になるだろうね

エンディングで動物を虐待していません
みたいなテロップが・・・
なんかあったっけ?
あ、カラスに石なげてたなあ
なんて、泣き笑い

nakaji