「確かに感情がかき乱される作品だったぜ…」シン・仮面ライダー つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに感情がかき乱される作品だったぜ…
メチャメチャ点数に悩む〜。面白かったところは超絶面白くて、テンションもブチ上がるし、6点つけても良いくらい!
がッ!中盤くらいにものすご〜く眠くなっちゃったんだよね~。
見どころは沢山あり過ぎてダム決壊レベルなんだけど、話はつまんないんだよ。自分で書いてて「どーゆーこと?!」と思うけど、私にとってはそれが事実だからしゃーない。バランスの問題?
とりあえず、最初の15分くらいは「ヤバいくらい面白い!」と思ったね。まずさぁ、サイクロンがカッコイイんだよ。バイクがサイクロンに変形するギミック、めっちゃカッコイイ!
あと、ベルトぐるぐる回ってライダーになる時の音カッコイイ!目もビカっちゃってカッコイイ!
最初のクモオーグとの戦闘、シャキーンって両手上げてジャンプからのグルグル(語彙力消失中)、仮面ライダーだ!ってなって胸熱。燃える!
戦闘してる場所が「なんでそこ?」みたいな場所なのも良いよね。いつもそうだもん。
そもそもいきなり雑木林だからね。その後ダムだしね。ガスホルダーが並んでる工業地帯とか、港湾とか、遠くの山に沈む夕陽とか、「日本のどこかであまり人気のないところ」ロケーションを巧みに移動するライダームーブ。
あと敵のアジト、結構気軽に入れちゃうよね。「会いに行ける悪の組織」的な?幹部たちも「あら来たのね。いらっしゃい」みたいなノリだし。田舎の一軒家みたいな、開放感あふれるアジト。
一方で猛とルリ子のセーフハウスは、何もないと言いつつ洗濯ロープとかピンチハンガーとか、結構ガチ目に生活感ある。対比が良いよね。
でもやっぱりセーフハウスなのに知らん人が入り込んでてセキュリティゆるゆるなの。そういうリアリティの無さが仮面ライダーだよ。細けぇことは良いんだよ!
と、楽しく観ていたはずなのに、なんか話に集中できなくて、なんか眠くて、シリアスに話を展開していくシーンが続くと「ダルいなぁ」って思っちゃう。決して用語がわかんないとかではないのに、映画の推進力が弱いんだよね。
展開早すぎて、猛もルリ子も隼人も、ついさっき口にしたセリフと真逆のこと言ってたり。キャラが情緒不安定なのか、それとも手のひら返しがすごい性格なのか。
ショッカー幹部が超豪華で、出て来る度に「おおっ!」とテンションが上がるし、他にもあんな人やこんな人や、ライダー2号やらルリ子の兄やら、とにかく「お前も出てんのかい!」みたいな盛り上がりが、観ている私の気持ちを定期的にブチ上げてくるので「つまんねー」と「面白ぇ!」を行ったり来たり。
登場人物と同じくらい手のひら返し過ぎて、もう手首がグニャグニャですよ。
邪推なんだけど、ホントは3時間くらいあったんじゃないかと思う。それを切りに切って、ギリギリ意味がわかるくらい切りまくって、前後つなげるシーン入れて、なんとか121分にまとめたんじゃないだろうか。そんな気がする。
上映時間なんか気にすんなよ!3時間超えの超大作だって全然問題なし!
…と思っているのは私だけなんだろうか。
エンディング、本郷猛の遺志を継ぐ一文字隼人。考えてみれば、この物語は一貫して「継承」の物語を紡いでいたと思う。
辛いことから立ち上がるために、何かを変えようとして、間違いに気がついて。自分だけでは変えられなくても、より良い世界のために、過ちを正すために、次の世代へ思いを継承していきたい。
緑川弘からルリ子へ。ルリ子から猛へ。そして猛から隼人へ。
メタ的な視点で言えば、政府の男と神永新二も隼人へと物語を継承しているのではないだろうか。災厄に立ち向かう団結力を、互いを理解しようと歩み寄る姿勢を。
と、すると「シン・仮面ライダー2」って充分ありえるんじゃないかなぁ。
そうなったら、結局また楽しみにしちゃう自信がある。