「言ったでしょ。私は常に用意周到なの。」シン・仮面ライダー 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
言ったでしょ。私は常に用意周到なの。
謎の組織に囚われたバイク乗りの青年本郷猛は緑川ルリ子に助けられる。
彼女の父であり、本郷の恩師である緑川弘博士によって、猛の体はバッタの能力を備えた人造昆虫人間バッタオーグに作り替えられていた。
人ではない強大な力を手に入れた猛は、人を自分の手で殺す感触に葛藤を感じながらも、大切な人を守るヒーローになっていく。
仮面ライダーミリ知らだったが、キャストとシン・シリーズに釣られて鑑賞。
結論から言えば素直に面白かった。
ただ、良いところも悪いところも半々くらいなので、ウルトラマンと比べても同じくらいかな。上回るでもなく下回るでもなくって感じ。
エヴァもゴジラも観てないけれど、庵野監督は人間の愚かさに苦悩する人間側の人非ざる者の物語みたいなのが絵描きたいのだろうか。
とにかく、正義と悪の二面性みたいなものが強く全面に押し出されていた。
冒頭から血飛沫を上げて仮面ライダーに殺されていくショッカー達の画は子供達にはかなり衝撃にトラウマとして映るだろう。
誰かの笑顔を守るためならどんな手を尽くしても悪を駆逐する。
その姿こそがヒーローたるものだと、決してヒーローはカッコいいだけの存在ではないと、大人でも気付かされる。
そんなヒーロー像と自身の姿に劇中ずっと苦悩し続ける本郷猛。
シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバースとして、大人向けな一面も観れてそこは良かった(実際仮面ライダーシリーズって結構グロいとか聞くし)。
ただ、大人向けな一面を感じつつも、結構敵役オーグ達はコミカルに、悪く言えば幼稚に描かれていて、そこのギャップに少しついていけなかった。
前述の血飛沫も正直リアリティには欠けるので個人的には無駄な描写に感じる。
政府の人間として登場した竹野内豊と斎藤工の扱いも前2作と世界線を共有するための道具でしかなく雑だし……
この作品で最も良かったところはキャスティングかなと思う。
豪華な面々だがなんとも渋く良いキャスティング。
池松壮亮の本郷猛は流石だし、蝶オーグの森山未來とその後ろから出てくる仮面ライダー2号の柄本佑、顔が割と似てるのもナイスキャスティング。
脇役も渋い。1番楽しみにしてた塚本さんはすぐ死んじゃったけど……
そしてなんと言っても、ヒロインの浜辺美波。
浜辺美波をあそこまで綺麗に撮れてるだけでも本当よくやってくれたアンノくん。
久しぶりに推し活復活しようかと思うくらい輝いてた。
ダークな役の雰囲気もハマっていて、確実に前より上手くなってる。
成長と言えば西野七瀬もすっかり女優になったなと。
それにしてもビデオで浜辺美波に遺言残させるなんて、なかなか粋なことしてくれるじゃないの。
良いところと悪いところが交互にやってくるジェットコースタームービー。
観て良かったとは思うけど、ちょっと色々言いたくなる映画だった。
やっぱ大衆向け作品はそこまで合わないのかな。
さて次は何のシンをやるんでしょうか。
ガメラとかやって欲しいような欲しくないような……
〈追記〉
結構今回は素顔を隠したキャラが多かったから、声だけで役者さん当てるのがなかなか面白かった。
概ね分かったけど、手塚さんと仲村トオルは分からなかったわ。
クレジットで安田顕、ん、、、安田顕⁈
「犯人」役ってそれはずるいよー。
唐揚げさん、いつも共感とコメントありがとうございます。
手塚とおるさんは、コウモリオーグだとわかったのですが、仲間トオルさんと、安田顕さんは、私もさっぱりでした。
後に知ったのですが、松坂桃李さんも声優でご出演だったのですね。