「振りおろす拳の終着点」シン・仮面ライダー みさおまさんの映画レビュー(感想・評価)
振りおろす拳の終着点
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ゴジラ や、ウルトラマンだって闘いの中で、(ゴジラは移動するだけでも、)相当量の人死が出るだろうが、本編もシン にも、描写される事はなかった。
けれども、ヒト型視点で避けられない宿命なのか仮面ライダーはその制約を取っ払い、PG12化しても比喩表現的な血みどろスプラッター。(エヴァの生ホルモン喰い状態では流石にない、ものの) 子どもや2回目忌避は、「収益」は残念になって仕方がない。
冒頭の下級戦闘員はなんで溶解させないの〜、とか、空中で方向変換! ? そんな物理法則を言語化して映像化する庵野ワールド。設定の不条理さって、特撮ものにおいてはファンタジーなのだから呑み込むとしよう。
怪人の本質が昆虫と人間の融合体で、「仮面」によって人格が薄まり、アニマ・アニムスが強調され本能的な姿を魅せている。ともすると、あんな出血がなくても、包丁一本、薬物、時にはその拳すら人を殺める可能性があり、何かしらタガの外れた犯罪者が観ている世界に近いのかもしれない。
ではなぜ、収益的に失敗と「ステマ」がはびこるほど、事前に容易に想像がついていても、その路線を貫いたのか。
個人的に、「 暴力 」というか、振りおろす拳の終着点を、実写的に表現されて気付かされる形となったので、それこそが、この映画から得られた自分の学びかもしれません。
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