「新であり、進であり、真の仮面ライダー」シン・仮面ライダー バレルウィリアムスさんの映画レビュー(感想・評価)
新であり、進であり、真の仮面ライダー
前提としてシン・シリーズは全て視聴済み、また仮面ライダーは平成ライダーを齧った程度で昭和ライダーは全く知りません。
・悪い点
粗探ししないと出てこない程度にはない。
強いて言えばCGのクオリティだが、あれは予算の都合やあえて"あの程度"にしている可能性があるので酷評する点にはならないと考えている。チープだとの批判も度々見受けられるが、日曜の仮面ライダーを見たことがあるのかと問いたい。間違いなく、テレビ版よりは良いし、マーベルやアバターのようなレベルのCGを期待したのだろうが、予算がまるで違う。ここを指摘するのはお門違いだと思う。
まず、悪い点はないと思う。
・良い点
【テンポの良さ】
まず、テンポが良い。前半もショッカーからの逃走の最中から描かれており、一息つくまもなく次の刺客がどんどん出てくる。作品を通して無駄と思うシーンはない、あっという間の2時間だと思う。
【庵野監督らしい設定】
作中、プラーナという概念が出てくるがこれが監督らしい。エヴァシリーズでも精神世界の概念は度々出てくるし、ある意味鬱的な要素もそこに盛り込まれている。製作中の段階で大人の仮面ライダーが想定されていると思うので、これくらいダークな設定は必要。昨今の仮面ライダーと違い変身して戦うことでのデメリットがあるのがコンプライアンスの低かった時代の昭和ライダーのようで、原作リスペクトを感じることができる。
【バトルシーンの演出】
これは上述したCGの話に被ってくるが、限られたCGの中で十分に迫力を感じる演出がされていると思う。特にハチオーグとの戦闘シーンは暗闇で虫が動いた時が容易に想像できるような演出だし、後半の量産型ライダーとの戦闘シーンも暗闇で戦っている割にはかなり見やすく、状況が理解しやすい。
総合してかなりの良作。私としてはシンゴジラと並ぶレベルで良かった。次回作があれば是非観に行きたいと思う。
また観たいと思うので星5。