「ヒーロー像を改めて問いかける作品」シン・仮面ライダー 雪鳥さんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーロー像を改めて問いかける作品
クリックして本文を読む
かつて憧れたヒーローは明朗快活で他人を救うため何処へでも駆けつけ戦う、身体のみならず精神的タフネスも超人的、そんな存在であった。仮面ライダーもその中の1人であった。この作品では、仮面ライダーと周囲の人々の裏側を描写することでヒーローも人間なのだ、ということに気付かされた。
冒頭に本郷がオーグメントの強大な力に戸惑いながら、ショッカーを殺める罪悪感に苛まれるシーンは特に印象的だ。
また、本作では一般人のために仮面ライダーが戦うことがない(ショッカーを殲滅することが広く言えば一般人のためだが)。1号とパートナーのルリ子、2号も己のエゴのために戦っているところが人間臭さを感じた。
飄々として自由人であった2号が、終盤に人間的な成長を遂げていたことも人間味を感じるところであった。
完璧超人だと思っていた仮面ライダーの裏側を描くことで、その精神的な揺らぎや成長が光って表現されていた。仮面ライダーに庵野さんの世界観を組み合わせることで新たな作品に生まれ変わっていた。一部CGや言い回しに癖があるところが気になったが、総合的には面白かった。
コメントする