「シンゴジ、シンマンに続く作品ではありますが、今回は等身大ヒーローな...」シン・仮面ライダー hirohiro3900さんの映画レビュー(感想・評価)
シンゴジ、シンマンに続く作品ではありますが、今回は等身大ヒーローな...
シンゴジ、シンマンに続く作品ではありますが、今回は等身大ヒーローなので派手な演出ではなく人間の心の闇の部分を描く作品だろうと勝手に予想していましたし、わざわざ大画面で見なくてもどうぜ1年ほどでネット配信されて見れるんじゃないかなと思っていたのですが、シン仮面ライダーは庵野監督のシンシリーズ最終作品とどこかで聞いた気がしてついつい劇場まで出向いてしまった昭和ライダー好きのおじさんです。
実際のところ、まぁまぁ予想通りの感じに仕上りつつ日本で特撮ヒーローの地位を確立させた作品を庵野監督なりにオマージュした作品なのだろうと感じました。平成から続く現在の仮面ライダーに馴染んだファンには理解してもらえないような単純な必殺技アクションは良くも悪くも昭和の特撮ヒーロー的な陳腐さを意図的に演出したものと感じましたし、なによりも純粋に突然驚異的な力を得てしまった人間の葛藤と誰かを守りたいという純粋な感情描写を庵野監督は重要視したのだろうと思います。
ですがそのようなストーリー構成では内容がますます暗くなるので、雰囲気が碇シンジに似ている池松壮亮を抜擢することで人間の弱さを映像からもイメージさせたのではないでしょうか。彼がアップのシーンでは意図的に演じていたかどうかは不明ですが少し震えながら話しているように見える場面が私にはとても印象的でした。
しかし、意図的に陳腐なCGを演出した理由については私も理解できませんでした。予算の問題であれば仕方ないですがそんなはずはないでしょうし、地下通路を1号と偽ライダーが爆走するシーンにいたっては、綺麗な一列の数珠繋ぎで走っている様子をあれほど陳腐なCGでなぜ見せるのか困ってしまいました。そんな不自然な演出は映画の盛り上がりを阻害するだけですので、できれば見たくなかったです。
とはいえ、全体的にはとても楽しめた作品でしたので私的には大満足です。
緑川親子による人類補完計画を阻止することができました。
そして、物語としてはショッカーは本作品では壊滅しておらずアイというAIが組織の活動を継続している状態ですのでもしかしたら続編という可能性も残されています。