「心やさしい正義の味方を貫く」シン・仮面ライダー bluewaveskyさんの映画レビュー(感想・評価)
心やさしい正義の味方を貫く
エヴァンゲリオンはそもそも知らないので私にはシン・ゴジラ、シン・ウルトラマンに続くシン・シリーズ。仮面ライダーは当時カードを専用フォルダに貼ったりしてウルトラマンよりガチ世代。V3とストロンガーが好きだったな。ただ子供だったので映像効果やストーリーに興味を持って見ていた訳では無くこだわりはない。
本作を観にきたのは浜辺美波さんの定期点検的意味合いが強い。本作を一般的理由で観にきたレビューではないので承知いただきたい。ガチのファンではなく題材と嗜好がマッチした時に観にくる感じなので出演ドラマはほぼ見たことないし、屍人荘の殺人以来3〜4年ぶり。
観客はアラフィフの私と同世代の方も多かったようだが、庵野版仮面ライダーは当時流れなかった血もリアルに流れ、元祖とは別物だ。私はそもそも元祖にこだわりがなかったから気にならなかったが、そうではなかった方は気になったのでは。ここでの評価の星が伸びていないのはそのせいか。仮面ライダーは私にとってヒーローだったので、池松壮亮さんの本郷猛が心やさしい正義の味方という1点を貫いていただけで十分だ。十文字隼人の柄本佑さんのキャラはストーリー上仕方ないのだろうが少し軽く見えたがご愛嬌か。
久しぶりに見る浜辺美波さんは時を経て華奢で細いのは相変わらずだが、見た目も声も当たり前だが大人になっていて予告の印象のかなり上をいっていた。緑川ルリ子もアンドロイド的なものなので感情を極力入れない淡々とした早口のしゃべり方は、シン・ゴジラの米国特使を演じた石原さとみさんの語りを想い起こさせる。元祖の仮面ライダーの緑川ルリ子さんを検索したが全然似ていなかったので、なぜ美波さんが起用されたのかは謎のままだ。
調べたら、一昨年のキャスト発表会見で庵野監督が次のように明かされてますね。「浜辺さんは、ヒロインについて悩んでいた時、会社に貼ってあった東宝のカレンダーが目に入ったんです。そのタイミングで載っていたのが、浜辺さん。『この子、いいな』と思ったんです。カレンダーで決めたんですが、『映画 賭ケグルイ』を見たら、すごく良かったので、自分の勘は正しかったなと」