「期日の決まっている死」ブラックバード 家族が家族であるうちに さばみそかんさんの映画レビュー(感想・評価)
期日の決まっている死
例えば、ガンになったとたん毎日が意味のあるものに、今日一日悔いないように生きる、つたえることはちゃんと伝える
周りも思い残すことなくはそれまでを過ごせるように向き合う
だから意味のある日々になったというようなことを聞くけど
死を決めたことで皆がそこに向かっていく
それぞれの思い、口に出さずに本人の意思を尊重したいという思い、
色々な思いの中すごすクリスマスの夜。たわいもないいつものクリスマスなのに観てるこちらに勝手に色んな感情が揺さぶられるあのシーンは素晴らしいと思った。
と思いきや、思わぬ方向に。それぞれの秘めた思いや、確執が露呈してきて、ぶつかり合う。本音も出る
今じゃなくていいじゃないか。
娘にしてみたら本音。一日でも長く一緒にいたい。
でも、それは、生命維持装置を付けて生きていると言えるのかという人間の尊厳の話になってくる。
深いし、海外では選択肢もあるゆえに難しい問題。
親友がそれまでに旅行も来ていたのは、家族の一員のように仲間に入れていたからなのですよね。
それまでに不倫関係はなかったということで
よいのですよね。彼女が何度か付き合って別れた相手はこの人のことではないのか?
そこがいまいちすっきりしなかった。
そんなにずっと好きであるのを知っていて、家族のようにいたのか、旦那の方も気づいていたのだろうし
ちょっと、その流れが釈然としなかったけれど
それぞれが納得して受け入れた上で送り出せたことは
よかったんだろうなと思う。
死ぬ前日までの、久しぶりに家族が集まった楽しさやぎこちなさ、時折しんと皆な空気が重くなる感じ
皆が一生懸命いつもと同じように過ごそうとしている気持ちなどが感じられて
前半の役者さんたちの芝居(もちろん全編です)は特に見事でした。