劇場公開日 2021年12月24日

「原作を限界まで膨らませた良い作品でした」劇場版 呪術廻戦 0 よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原作を限界まで膨らませた良い作品でした

2021年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作は本編も今回の「0」も全て読んだ上での鑑賞です。
今回の映画はコミックス1冊分のエピソードという事で、尺的に短くないかと心配でしたが、そんな心配なんのその。
「尺が無ければ盛れば良いじゃない。」
とでも言うように盛り上がった本作は例えるならば手のひらサイズの水風船をアドバルーン並にまで膨れ上がらせた意欲作。少しでも膨らませ方を誤ればたちまち破裂してしまう程に膨張した本作のバランス感覚はまさに芸術。

原作では描かれていないシーンとシーンの合間のちょっとした時間をさり気なく差し込む良妻賢母のような追加も勿論良かったですが、やはり真骨頂はバトルシーン。
原作では短くまとめられたバトル、端折られたバトル、存在が示唆されたもののバトルシーン自体は描かれなかったバトル、存在も触れられなかったが状況から考えて間違いなく発生したであろうバトル、多分発生したであろうバトルまで、ありとあらゆるバトルシーンを膨らませ、追加し、作り出しているこの作品の脚本家は間違いなく戦闘民族。

そしてそれだけ多量のバトル成分を接種しているというのに脂っこさは全く無い。コクがあるのにクドくない。
登場するキャラクターが皆、多種多様な戦闘スタイルなため、バトルが続いても常に新しいバトルが見られるからだと思う。

「正直このエピソードを映画化してもラストバトル以外盛り上がらないんじゃないの?」と思っていた数日前の自分はパッパラパーだった。盛り上がりっぱなしで寧ろ「下がるところどこ?」って感じだった。

迫力あるバトルシーンを楽しみたい人には間違いなくおススメの一本。MVPはミゲル。

よもぎ