「音楽の力を借りて」クレッシェンド 音楽の架け橋 まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽の力を借りて
紛争が続くイスラエルとパレスチナの若者たちが集まって、共に音楽を奏でる。それがどんなに困難なことか、綺麗事ばかりではない本作から、問題の根深さが伝わってきました。
音楽家を夢見る普通の若者でも、日本で暮らしているとピンと来ないような思想を持ち、政治と切り離しては行動出来ない。その様がもどかしく、苦しく、なかなか上手くいかないことに胸が痛みます。特にマエストロの「平和を望むか?」という問いに対し、ほとんどがNOと答えるシーンは衝撃的でした…。
それでも、目の前の相手に敬意をもって接しお互いに理解し合うよう努力することで、少しずつ距離が縮まっていく。ラストシーンの音楽の力を借りてお互いの心に歩み寄る姿には、自然と涙が溢れました。
戦争が始まってしまったいま、よりこの作品のメッセージが胸に響きます。
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