劇場公開日 2022年1月28日

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「相手に聞く耳を持たないような価値観の違いをも乗り越える、音楽という人類共通言語。」クレッシェンド 音楽の架け橋 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0相手に聞く耳を持たないような価値観の違いをも乗り越える、音楽という人類共通言語。

2022年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 とても勉強になったし、とても感動しました。って、小学生の作文みたいだけど、素直にそう思う。パレスチナ人とイスラエル人がいがみ合う構図が、21世紀の若者にも引き継がれる理由は、伝承のみならず体感のリアリティあってのものなのだ。冒頭、催涙ガスから目を守るために室温の玉ねぎをかっさばいて涙を流すレイラの音楽魂に圧倒された。
 金の集まりそう案件があれば深い思慮なく当事者をその気にさせて世界中を股に掛ける投資家によるプロジェクトの存在、あるあるでしょうね。ナチスの子孫として生きるマエストロのワークショップ。「相手の音を聴くことができれば1チーム」みたいなところまで導くことはできた。一方、利己的な遺伝子には背けない、10代の男女の軽はずみな(本人たちにとっては真善美に導かれたという思いに違いない)行動。
 何もかもがボタンのかけ違いでうまくいかないのだけど、全てを包み込んで先に進めてくれる鍵としての音楽に、どうしたって感動してしまうのである。全編に流れる音楽を覆う、サウンドオブミュージックのカラー版?みたいなチロルの夢のような牧歌的風景にも。
そして、ネタバレかもしれないが、やはり最後には涙してしまうのであった。

Kumiko21
talismanさんのコメント
2022年2月8日

「投資家のプロジェクト」確かにそんな感じでした。マエストロもいきなり梯子を外されたような顔してました。

そしてコメントありがとうございます!すごく嬉しいです。雅楽関連の方からお聞きになった話ですか?それとも本でお読みになったんですか?

自分の勝手な仮説では、全く知らず出会ったことがないこと(特に音楽かな)に出会っていきなり感動はできない、と思っています。何か自分が慣れ親しんでいるとか知っていることから徐々に近づいて知識と経験を増やしていって初めて「感動」に行くのかなあと。だから知ること、出会うこと、勉強することはとても大事だと思ってます。長々と失礼しました。

talisman