「2種類の旋律が奏でるボレロ」クレッシェンド 音楽の架け橋 ねりまっくまさんの映画レビュー(感想・評価)
2種類の旋律が奏でるボレロ
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パレスチナとかイスラエルとかガザ地区とか。恥ずかしながら詳しい知識は持ち合わせてない。想像できるのは、長い間お互いの主張を譲らずに対立が続いている人たちがいること。この映画は、そんな環境下で自然にいがみ合う若者たちが、音楽を通じてコミュニケーションを取っていく姿を描いている。
観終わった直後の感想は、『惜しい』。非常に上から目線で申し訳ないのだが、あのシーンをこうすれば、このシーンをああすれば、ということをエンドロールの間中考えていた。全体の構成はオーソドックスな3部構成ですが、最後のパートをもっと盛り上げて終わらせて欲しかった。エンドロールで使用する曲も、「威風堂々」みたいな気分が上がる曲で終わってくれると良いのではないかと。クライマックスをもう3段階くらい盛り上げてくれると、憎たらしいけど通じ合えるよね、という理想的なメッセージにくるまれて、帰り道は人に優しくなれるのではないかと思うのです。
文句ばかり書いていますが、アクションもなく殺人もないながらも飽きさせず見応えがある作品なのは、総じて高い構成力のなせる業だと思います。「ボレロ」もいいけど「冬」がいいよね。構成を全く変えずに、どの曲を使用するかという話をしたら盛り上がりそう。
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