「痛快バイオレンス・アクション オヤジは強かった」Mr.ノーバディ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
痛快バイオレンス・アクション オヤジは強かった
これぞ、バイオレンス・アクションの神髄!とにかく、乱闘シーンは、殴り、蹴り、打ちまくり、吹き飛ばすの連続で、観ているだけで痛さも200%。自分も傷つきながらの泥臭くい乱闘だが、悪を一網打尽とする痛快さ満載。スカッとするハードボイルド・ムービーだ。
毎日が同じルーティーンで、金型工場をバスで往復するだけのうだつの上がらない中年男・ハッチ。しかし、このハッチ、実は凄腕の戦闘能力を隠し持つ、特殊工作員としての過去を秘めていた。
ある日、ハッチの家に強盗が押し入り、撃退はしたものの、それを機に、抑えていた理不尽な悪党に対しての堪忍袋の緒が切れて、戦闘能力が解き放たれる。そして、その結果として敵対したのが、大金を動かす、ロシア・マフィア。
最初のバスの中でのチンピラとの乱闘シーンは、ハッチが場当たり的に怒りをぶつけ、本当に怪我をさせたのではないかと思えるほど、痛さ満載の体を張った戦いぶり。それに対して、ラストのロシア・マフィア軍団との戦闘シーンは、拳銃、マシンガン、爆弾、ライフル…ありとあらゆる武器を駆使して、友人と父親の3人がダッグを組んで、対峙していく。ここでは、3人の計算尽くされた美しい連携で、ピタゴラスイッチのように、入れ代わり立ち代わり、敵をぶっ飛ばすシーンが続く!
主演のハッチには、人気テレビシリーズなどで知られているボブ・オデンカークが務めている。一見、冴えない中年男ながら、常に淡々とした表情の中に隠し持った、激しい怒りと戦闘能力のギャップに引き込まれる。また、ハッチの父親役を演じていたのが、何と『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のクリストファー・ロイド。棺に片足を突っ込んでいるようなヨボヨボの爺さんかと思いきや、こちらも、ハッチに負けじと暴れまくる姿も、なかなかモエる。
本作の見所は、戦闘アクションシーンであることは間違いない。しかし、そんな荒々しいシーンのBGMに、優しい調べのオールディーズを奏でるのも、お洒落な演出だ。