「戦闘マシーンが勘違いした幸せ像」Mr.ノーバディ にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
戦闘マシーンが勘違いした幸せ像
久々に最高のアクション映画でした。
元三文字〇〇〇会計士の主人公ハッチにとって、
幸せ家族とは、9-5時働いてディナーは家族で仲良く。
だと思ってた。たとえ情けない父親(夫)だと思われたとしても。
それが退屈な、うだつの上がらない毎日を送る人生だったとしても。
この退屈な毎日の描き方が最高にうまい。
テンポよく退屈な日常を表している。5~10分くらいだろうか。
これを説明ぽくしちゃうと、つまらないし
ちゃんと描こうとすると伸び伸びになって、
ホントに退屈な映画になっちゃう。
観客はこれから始まるであろうアクションを期待している。
しかし、この退屈な日常をしっかり伝えないと
主人公ハッチに感情移入できない。
それをこの手法で伝えた時点で、
この映画の勝ちが決まりました。
バスのシーンが素晴らしい。
リボルバーから弾を抜く。
これは、銃を持ってると簡単に相手を倒してしまう
そんな自分を自制するためだ。
元〇〇〇を離れて数年、おそらく体はなまってる。
最初は格闘で倒そうと思ったが、意外にやられる。
その場にある道具を使い始める。瓶やロープ、鉄パイプ。
ついに武器を使う。ナイフだ。
だんだん元〇〇〇時代のカンを取り戻し、
最終的に覚醒してしまう。
クライマックスの大アクションも
大味にならず全部楽しめた。
少数VS多数の場合、銃を撃ちっぱなし
なんだかゲームを見てる感じになりがちだが
ちゃんと、「痛み」を感じる重苦しさもある。
ラストでありがちな大ボスとの肉弾戦になっていないところも◎
クリストファーロイド。
ご無沙汰しております。武器がショットガン1択というのも
おじいちゃん戦闘らしくて良かったです。