「あえてノーバディ」Mr.ノーバディ Jun Tanakaさんの映画レビュー(感想・評価)
あえてノーバディ
銃器天国のアメリカで、お祭りの前の準備ほど楽しそうに見えるものはない。あれもこれもと、まるで戦争でも始めるかのようだ。しかし、逆に祭りの後ほど寂しいものはない。残されるのは、現実だけだ。ノーバディとは、誰でもないというより、むしろ誰しもがヒーローになれるようなイメージを抱かせるが、結局、誰のために大暴れしたのかと考えると、あえて名前を名乗るのは、少々臆する気がする。正義のためになどと言わず、あえてノーバディで通すところが、奥ゆかしい戦争の作法だ。
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