「沸点低ッ!」うみべの女の子 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
沸点低ッ!
この手のミニシアターで上映する作品は隠れた名作が多いと思っています。「サマーフィルムにのって」「街の上で」などが最近では大当たりの映画でした。
そんな中、期待して観に行った今作。石川瑠華さんや、中田青渚さんが出ているということもあり、どんな作品になるんだろうとワクワクしながら劇場に足を踏み入れました。
開始20分くらいで帰りたくなりました。かなり早い段階で体が危険信号を発信しました。正直良いところが演技力と、元の音楽くらいだけです。全体通してみても、間延び感は否めませんでした。
まず1番気になったのは登場人物の沸点の低さです。特に磯辺。なんかやたらキレるし(キレる理由が分かるっちゃ分かるんですが)、すぐ手を出したり、煽りまくったり、侮蔑的発言ばかりするしで、小梅が何故こんなに執着するか全く分かりませんでした。ひたすらに喚き散らす姿は見ててとにかく不快でした。
ただ小梅の方にも大変なくらい問題があって、石川さんは超メンヘラを演じるのがとっても上手いと思うのですが、今回はそれが裏目に出てしまい、マジでめんどくさい阿婆擦れにしか見えませんでした。磯辺に執着するあまり自宅に不法侵入したり、嫉妬から勝手に磯辺のパソコンのデータを消したり、むっちゃキレたりで、不快さは磯辺に負けず劣らずです。やたらすぐ脱ぐので、性行為もあまり興奮しません。他にも先輩がいるのですが、こいつに執着する小梅の気持ちもよく分かりません。チャラい男に惚れるっていうのはよくある話ですが、 大麻吸い態度クソ悪男なので、自分は全く感情移入ができませんでした。
登場人物全員が設定上中学生なのですが、全くそうには見えませんでした。高校生なら納得はいったのですが、あの様子で15歳と言われても疑問しかありません。そもそもあの年代は性について知り始めたばかりで、あんなにお盛んではないと思うのですが、今の中学生ってあんな感じなんですかね…ちょっと理解が追いついていないです。
音楽の使い方も下手くそで、「風をあつめて」単独ではとても良い曲なのに、シリアスな場面にかけてしまったせいで、超ミスマッチしていました。
波だったり、風だったりにも焦点を当ててましたが、それが活きた感じはあまりしませんでした。
なんだかしっかりと酷い作品を見たなと思いました。世間的には高評価も多いみたいなので、あくまで個人の感想だと思ってください。終始何かが喉の奥に引っかかっていました。
鑑賞日 8/31
鑑賞時間 19:05〜21:00
座席 F-4