先生、私の隣に座っていただけませんか?のレビュー・感想・評価
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役者さんがだれもうまいから面白い。
漫画と現実の話がうまく交差するから二転三転する気持ちの揺らぎが面白い。浮気夫婦のシリアス話だけど主役ふたりがさすがな演技に加え吹雪ジュンも毎度ながら良い感じ。今時な担当編集者も楽しい。心理合戦を明るく楽しめます。
リアルと妄想を漫画で描くドラマ
怖さとユーモアが両立したシュール過ぎる復讐劇
黒木華の怖さと柄本佑のマヌケ感が絶妙!
今見ている映像は漫画の一コマなのか?
「面白い映画は冒頭10分で決まる」なんて乱暴な意見もありますが。
気持ちの良いカットでしっかり心理劇の面白さに引き込まれました!
二転三転するストーリーが面白いのはもちろんなのですが、黒木華さん演じる佐和子の心理を読むのが非常に楽しく
「本当はこう思っているのよね。」
「たぶん、こう思っているに違いない…」
「え〜っ!いったいどう思っているの〜〜??」と、
夫の俊夫と一緒に、彼女に翻弄されていきました。
黒木華さんって、“純朴”や“清楚”といったイメージをまといながら、匂い立つエロスや底知れない情念を秘めている素晴らしい女優さんですよね〜。
最小限に抑えた演技から目が離せません!
ヒントになるのは、ちょっとした目線だったり、仕草だったり…。
それに、構図やカットのタイミングも彼女の心理を読み解くヒントになるので気が抜けません!
ワンシーン、ワンカットの隅々にまで、ちゃんと意図が張り巡らされていて、行き届いた演出。監督のこだわりがすごそうで
「全てのカットが絵になる構図だなぁ。」
「一瞬挿入されるだけの短すぎるアップは、面白いリズムだなぁ。」
なんて見ていたのですが…ある瞬間ハッと気づきました。
これって、この映像自体が漫画のコマを表しているのでは?!
これに気づいた瞬間の私の興奮たるや!
堀江監督すげ〜
いや、そもそもリアルと虚構(漫画)を行き来する映画なので、漫画を再現しているシーンがあるのは当たり前だと言われれば、当たり前なのかもしれませんが(^◇^;)
絵になる構図は、そのまま漫画のコマの構図だから。
焦る心理を表す“短すぎるアップのカット”は、面白いリズムではなくて、
漫画のコマでいうところの「ハッ」とか「ギクッ」で挿入される顔の小さめの一コマなんだわ。
そうなってくると…いったい何重構造??
ますますどこまでが現実で、どこからがフィクションなのかが謎になってきて、あまりの興奮に鼻血が出そうですww
全部全部漫画だったりして。
映画なんだから全部全部フィクションなんですけどね(^^;)
それにしても、楽しい妄想が頭の中をぐるぐる回り出して止まらない。完全にハマりました。
俊夫を演じた柄本佑さんの、ちょっとバタバタしたコミカルな演技が、全体のトーンを重くしすぎない良いバランスを保っています。
内面に燻っている焦りや、情けない感じが憎めなくて可愛かったり。
そして、場面転換に刺激を与える奈緒さん、良いです!!
面白い漫画を読む為には何だってやる感じが、たまらなく好き。
風吹ジュンさんの女親の鋭さも良いです。
登場シーンで絵を描いているのも印象的で、「わからない娘なのよ」と言いつつ、実は思考パターンや行動パターンが一番近いんだろうなと思える演技。さすがです。
劇中に出てくる漫画の原稿が綺麗でうっとりします。
手書きの工程が良くて、一コマの絵にどれだけの情熱を注いでいるかが感じられて好き。
ファーストシーンも紙に線を引く音から入ってましたね。
無から生み出す“ものづくり”への熱量を感じられる映画であると同時に、じつは表現者の映画でもあると思います。
全てを貪欲に取り込んで表現する者
表現でしか自分の思いを吐き出せない者
表現が出来なくなってしまった者
お気に入りは、車が出発するシーンで、二重アーチに見えるショット。
教習所のシーンの音楽も面白くて好きです。
この映画も、無から生み出されている。
オリジナルなこだわりが詰まっている。
今後もTSUTAYA CREATORS’ PROGRAMには注目ですね!
作り手へのリスペクトを込めて丁寧に見たいです。
このタイトルは奥深い
表情で感情を伝える映画
タイトルの意味、納得です
この作品、もっと不倫のドロドロとしたものを描いているのかと思ったら、意外にとてもさわやかで、したたかで、最後の最後まで楽しめました。
柄本佑さん演じる夫、俊夫が翻弄される姿は実に楽しかったし、黒木華さん演じる漫画家佐和子は、本当に表情が読み取りづらく、なんでも思ってることを話すタイプではないため、なおさら、怖いなぁ、この人、頭の中では何を考えてるんだろって、必死に言葉から、表情から真意を読み取ろうとしましたが、できませんでした。
最近、よく見かける金子大地さん、彼も爽やかないい感じの若者なんですけど、教習中になかなかのやり手ですね。
その先生に出会って、恋に落ち、佐和子がどんどん綺麗になってくので、その変化も楽しいですね。
俊夫の不倫相手・奈緒さんも相変わらず、二面性を持ったイヤな女、上手いです。
そして、もう1人の先生、俊夫にちゃんと仕事を与えて、最後の最後までこれは漫画の中のフィクションなんだと思わせての…さよなら。
そして、そうなることをちゃんとわかっていた母。
復讐を果たした、とても清々しいお2人の後ろ姿でした。
真綿でやさしく包んだ騙し合い物語
先生とは?
ユニーク!
キャスティングが最高!
黒木華さんの演技と主人公の何を考えているか分からない不思議キャラがピッタリで、キャスティングが最高でした。不倫相手の奈緒さんのキャラも最高!
それにしても不倫を漫画にされちゃうなんて、アーティストをパートナーにするのは大変そう。。Web漫画など実録不倫モノに少し嫌悪感があるものの、ついついそういう作品を興味本位で読んでしまう。。そんな気持ちになります。「夫婦の数だけ、事件がある」というコピーに、納得しました!
一貫して進む脚本とキャストのバランス、邦画にあまりないタイプの復讐劇
監督の発掘と豪華な布陣で作品を送り出すツタヤクリエイターズプログラムから、また独創的なエンタメ作品が生み出された。いやー、最後まで踊らされちゃいました。笑
監督のインタビューも交えながらレビューしていく。
不倫に対しての復讐に選んだのは、漫画というペンの武器。不倫をテーマにするのでなく、不倫漫画をテーマにすることに決めたのは週刊誌を読んだことだという。漫画が主体なので、彼女が作り出すネームは真か偽かわからなくなる。それは俊夫よりもわたしたちの方なのかもしれないが。笑 教習車ひとつ考えてみても確かに二人だけの空間であり、漫画に落とされたモノだけで判断せざるを得ない恐怖感が追体験される。また、黒木華と柄本佑のコンビが凄くいい塩梅を感じさせる。どこか互いを尊重していながら進むので、決して暗くなりすぎない、寧ろ観ててフフフと出てしまうような展開がシリアスで面白い。
他にも、奈緒と金子大地、それぞれ不倫相手となるわけだが、一層その迷宮に陥るに相応しい温度感がいい。特に奈緒の表情はかなりくっきり出るので、かなり温度差を上手く出してくれているなと思った。また、金子大地に対して監督は、漫画っぽくならないような意識を持ってもらったという。それが返ってキラキラとした漫画を引き立てている。キャストが少ない分、個々のキャストがバランスよく機能し回しているのが印象的だった。また、対同性の構図を必要としないのもいい点。方向性がはっきりしていて、気持ちよかった。
蜃気楼のように掴めない佐和子の華麗なる復讐。主観的に見せながら糸口を小出しにする。そして最後まで油断を許さない展開。脚本とキャストの噛み合わせも絶妙な加減がかなり引き立っていた。満を持して勧めたい1本。
タイトルなし
演出力と演者の魅力が合致した意欲作
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