劇場公開日 2021年9月10日

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「巧妙なホラー」先生、私の隣に座っていただけませんか? にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5巧妙なホラー

2022年6月16日
PCから投稿

ラブコメかな、と軽い気持ちで鑑賞開始(amazonPC)。
途中、いきなりホラー開始。
物語は淡々と進むんだけど、妙な緊迫感と
「怖いんだけど見たい」感がどんどん増してくる。
これは、演出の妙、演技の妙。すばらしい。
たいがいこういう映画は、説明が冗長になりすぎて、
飽きてくるんだけど、その説明を「漫画」で行うという
ナイスな演出。
声を張った演技も必要なく、逆に怖さが引き立つ。
ナイスな演出。

サワコ先生は多くを語らず、「飲み込む」タイプ。
トシオは鈍感タイプ。
感情を表す、牛乳を飲むイート演出や、環境音、照明の種類、
イヤリングを付けだすサワコ、スカートを着はじめるサワコ、
それに気づかないトシオ。
ナイスな演出。

教習所という設定もナイス。
運転できない、アクセル踏めない=コントロールできない。
先生(教習所の)が隣にいれば、運転が上達する=アクセル(復讐)は加速していく。
満点合格で免許取得できた=復讐のシナリオは完璧に出来上がった。

漫画=虚、実写=実、白熱色の照明=虚、暗い照明=実・・・
ん?
あっちが妄想で、これが現実?漫画は現実で、実写回想が虚?
見ている側も混乱してくる。
ナイスな演出。

映画中盤、母とトシオ二人きりのシーン。
トシオを見てふいに笑う母。
なんですか?とトシオ。
母だけは初めからオミトオシ。
さすが、母は偉大。

ラブコメかな、と軽い気持ちで鑑賞開始し、
見事なオチに騙されました。
男は鈍感だな。

にゃろめ