「愛おしき不倫夫」先生、私の隣に座っていただけませんか？　サプライズさんの映画レビュー（感想・評価）

久しぶりの映画。忙しくてなかなか見れておらず、気づけば見たい映画がたんまり溜まっていました。
映画鑑賞日々復活に選んだのはこの映画です。
9月公開映画の中で最も楽しみにしていた本作。
ようやく見れる...期待値かなり高め。

めちゃくちゃ面白かった笑笑
もう楽しくて楽しくて仕方がなく、ニヤニヤが止まらない。こんなに面白い不倫映画初めてだよ笑笑

妻・佐和子(黒木華)の新作漫画｢先生、私の隣に座っていただけませんか？｣を覗き見した夫の俊夫(柄本佑)は、現実そっくりの内容であることに驚きを隠せずにいた。

マジで柄本佑が面白すぎる。
身振り素振りや話し方がもう面白くて面白くて仕方ない。凄く細かいところまでこの俊夫というキャラクターを演じており、雑にお茶を出すシーンなんかたまらなく良かった。なんでこんなに情けない役も演じれるのだろうか。本当にすごいなぁ、この俳優は。

そんな俊夫が本作の1番の見どころ。
脂汗ダラダラで漫画を読んだり、間抜けに返事したり、オクラをかぶりついたり...などなど、笑えるシーンばかりで堪えるのに必死でこんな人が不倫するはずない！としてるのに思ってしまう笑笑 憎いはずなのに憎めない。不倫してましたごめんなさい、ってこんな人が言ったら許せそうな気がする笑

演出が素晴らしい。
独特なカメラワークで慌てふためく夫と余裕か有り余る妻との対比が上手いこと現れており、視覚による恐怖だけでなく音による恐怖もあって緊迫感に包まれながら、次はどうなるのだろう？と期待を高めてくれる。

秀逸なストーリー構成。
現実と漫画が行き交う面白さ。今のは漫画の話？それとも現実で起こった話？｢鳩の撃退法｣を思い出させるような内容で、個人的には大ハマり。登場人物が少ないのも好印象で、やはりお母さん役の風吹ジュンは安定感抜群で最高だった。ラスト15分は何が何だかさっぱりで、鑑賞後にじっくり考えてようやく理解。観客を限界まで楽しませる素晴らしい映画だった。

ただ、空白が多すぎるかなと。
考えさせるという面ではよく出来ているのだが、見応えという面で言うと少し物足りなかった。別に要らないシーンとか無いのだが、なんだか呆気なくてもうちょっとエピソードが欲しかったなと感じた。

それでも期待以上の秀作でした。
TSUTAYA CREATORS PROGRAM FILMの映画って、やっぱり独特で面白いなぁ。こんな映画が見たかった！と思う映画ばかりです。