「うっそーん」先生、私の隣に座っていただけませんか? 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
うっそーん
ある漫画家夫婦の不倫と復讐。
妻の佐和子は、夫の俊夫が担当編集者の千佳と不倫していることを知る。
そんな時、佐和子の母親が足を悪くし、夫婦は少しの間佐和子の実家に住むことに。
昼は教習所、夜は漫画を書く生活を続ける佐和子とそれを支える俊夫。
いつも通り佐和子が教習所へ行ったある日、俊夫が佐和子の部屋で見たのは、自分の不倫についての漫画のネームだった。
目の前の光景はホントかウソか。
はじめは鮮明だった世界がだんだんぼやけていき、ラストには何も信じられなくなる。
残るのは俊夫が不倫をしたという事実だけ。
結局先生って誰?ラスト隣に座っていたのは?
ちょっとやりすぎじゃないと思うけれど、その容赦の無さこそが最大限の復讐だと、俊夫を憐れみながらも佐和子に拍手を送りたい。
とまあ、これは後半、特にラストの感想。
ここに至るまで時間をたっぷりかけたのは良かったのだが、やや前半のパンチが薄かった気がする。
単に自分のコンディションが悪かっただけかもしれないが、前半はドロドロの不倫ドラマの枠を超えず、やや物足りなさがあった。
それでも、ラストがとても良かったのでなんとも評価しにくい…
あの夜の和解で勝手に許されたんだと思ってしまった自分も、俊夫のように情けなくバカな男なのかもしれない。
繰り返しになるが、ラストの衝撃は刀で斬られたようで…やられた!
キャストが6人(教授所の1人目の教官含めて)だけと言うこともあって、各キャラクターに集中して観ることができた。
黒木華は新境地、柄本佑は安定って感じ。
新人漫画編集者としてネームチェックしてた数年前の華ちゃんはどこへやら笑
最近しっかりした大人しめな役が多いので、たまにははっちゃけて欲しい。
佑ちゃんは適役すぎる。モテるけどどうしようもない感じ。声のトーンが独特すぎて所々コメディになってたけど…
eillカバーの「プラスティック・ラブ」を映画館で聴けたのも大きな収穫だった。