「さて、夫はどんな顔をするのだろう?」先生、私の隣に座っていただけませんか? 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
さて、夫はどんな顔をするのだろう?
黒木華も柄本佑も、演技達者。だけど、こういう話はいかにリアル感があるかが質を上げると思うのだけど、所々にホツレがあって、なんか白けた。現実と漫画の世界を混ぜこぜにされた俊夫の困惑と焦燥こそは伝わるが、例えば、新谷はそれでいいのか?君には伴侶はいないのか?仕事は放棄するのか?って思っちゃう。俊夫への復讐よりも、それがキッカケの馴れ初めって、新谷が気の毒に思えて仕方がない。だいたい、そういう関係は長続きしないし。
そもそも。俊夫は、創造力が枯渇したのか、仕事に生き詰まって、(いいことではないけど)軽い気持ちで身近にいる編集者と不倫をしたわけで、(世間的には非難されるとはいえ)彼にとっては遊びの領域。ほぼヒモ状態で生活している俊夫が、出ていく気なんてあるわけがない。そんな甲斐性なんてないんだから。そこに引っかかってしまう。
単純にこの話、僕には面白く感じなかった。
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