Ribbonのレビュー・感想・評価
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作りたいエネルギーがほとばしっていた
コロナ禍でいろいろ諦めざるを得なかった、クリエイターたちの悲しみや苛立ちを「ぎゅっ」っと詰め込んだようなフィルム。
初監督らしいフレッシュさと、作りたかったものがブレなかった信念みたいなものが合わさって不思議な雰囲気を醸し出していました。
そして、のん監督に対しては「この人は演じるのと同じかそれ以上に作りたい人、表現したい人」なんだなと感じました。
スマホはインフラ!
とてつもなく久しぶりにテアトル新宿。かつては名画座、インディ邦画(ダンカン初監督作品みたいな微妙な面々)、アニメの聖地を目指したり、様々なポジションを模索しつつ、とりあえず現在の姿か。中学の頃からの付き合いなので、愛着ある同志のような劇場だ。
企画、脚本、監督、主演がのん。という一見独りよがりの珍作に遭遇する恐怖もあったが、なんとも爽やかなオンナノコ青春映画だった。スマホが無いと生きていけないコロナ下ならではの、いまこの瞬間の日常で無ければ、描けない秀作。数年後にコロナが収束してからでは、ここまでヴィヴィッドに「現在進行系」の、【想像もしなかった日常】を表現できないだろう。まったくもう、今年の掘り出し物作品であった。
あのとき感じた苦しさ
どうしたって色目で見られてしまうのは仕方がないのだろうし、コレに限らず自分もそう見ている事がしばしばあって「良くないなぁ…」とは思っていたのだが、鑑賞後は更に思いを強くした。良かった、とても。また何かを感じたら監督をやってみて欲しいと素直に思える作品。でも、脚本はお願いするか共同が良いかもね(失礼)。
完成してから公開まで時間が経ってしまったのが何よりも惜しまれる。この映画の中に渦巻いている「憤り」や「哀しみ」を皆もリアルに感じていた頃に公開されていたら、評価3割増しだったのではないだろうか。映画の端々で出てくるチグハグギクシャク癇癪も一年位前には皆が持っていただろうからね。
初監督で二時間弱。しかも編集も自らなんて、ともすれば美学の押し売りみたいになりかねないのに、むしろ落ち着いた雰囲気のある華美に過ぎない優しいトーン。助けてくれた人達のバランスを取るのが上手いのでしょうね。お見事でしたし、結構心に響きました。
進化する才能
「私をくいとめて」で改めて素晴らしい女優だと思わせてくれた、女優のん。
地元兵庫で舞台挨拶するというので観に行った。満員のシネ・リーブル神戸、すごいな。
正直、演技は素晴らしくても監督・脚本となるとどこか自分の中の予想を下げていたと思う。
それが、、びっくりするほど良い出来。
基本的に映画は自宅と学校と近所の公園のやりとり、登場人物も2人ずつ、わかりやすい恋愛やアクションがあるわけじゃない、
びっくりしたのがこれらの見せ方
なかなかうまい、いやすごくうまい。これ本人が脚本なんだよな
そして後半にかけてどんどんリズムがよくなりラストはちょっと感動した。
「あまちゃん」の女優さん、なんてイメージはいったん置いといて、才あふれる女性監督の誕生を素直に喜びたい
まだまだ進化する才能、のん
これからが大いに楽しみ
能年玲奈さん
明るくて、健やかで、まっすぐで🎀🎗
コロナ禍で卒業制作展が中止になった美大生の失意と再生の物語。
のんが、悩みながらも明るく生きる主人公、いつかをいきいきと演じています。
自粛期間中のいつかが、朝、目を覚ましている場面が何度もあるのが印象的でした。昼夜逆転せず、朝日を浴びて一日を始めることの大切さが伝わってきました。
中止、変更、我慢、嫌なことがたくさんあるけれど、会える人に会い、好きなことを大切にしようとするいつかの生き方…。なんだか楽しそう💕
あれ、私も一緒だわ、と気づきました。
コロナ禍でうんざりすることが多い毎日のはずなのに意外と楽しい毎日を送っているのかも、私⁉︎
と、思えたのが、この映画を見たいちばんの収穫です♪
のん、ありがとう😊🎀
次回作に早くも期待
のん(能年玲奈)さんのファンなので、その主演映画ということで観に行った。コロナ禍に直面した美大生の物語という設定以外、予備知識なしで劇場に入った。
とにかく、引きこまれた。2時間あっという間だった。コロナ禍の日常、その独特の空気感が、リアリティをもってよく描かれていた。ラストも、一服の清涼剤を口にしたようで、さわやかな余韻に包まれて、映画館を後にした。映画ならではのゆたかな時間を堪能した。料金以上の内実を得られると確言できる。
アップに耐えるのんさんの明朗な美しさと、コミカルな演技は相変わらず魅力的だが、特筆したいのは脇を固める俳優陣だ。母、父、妹の順に登場するが本当の家族のように映った。親友との関係性もよい。「謎の男」も、かけがえのないキャラクターで、登場シーンは限られていたが強い印象を持った。
一つ疑問に思ったのは、美術に携わる者における作品の位置づけである。映画に出てくる美大生は、のんさんも含めて、作品に対してかなり「振り切った」姿勢を見せ続けるが、創造者というものは、ああいう感受性なのだろうか?私自身、美術製作に縁がない人間なので、その点の人物造形が意外に思えるのかもしれない。
これが初監督ということだが、驚きでしかない。「女優・創作あーちすと」はどこまで行くのか、次回作が早くも楽しみになる作品であった。
凡庸だが、素晴らしい
この世界のフラストレーションに1本のリボンを。
のんが脚本、監督、主演を務めたアーティスティックな1本。2020年コロナ禍。奪われた学生生活。途方に暮れる美大生のいつか。この4年間は無駄だったのか。母親に遊びと揶揄された作品は果たしてごみなのか。
マイペースでちょっとあまのじゃくないつかとクセの強い家族。友人の平井に顔も思い出せない同級生。自粛、マスク、ソーシャルディスタンス。それでも誰かと笑って、泣いて、喧嘩して日々は続いてゆく。基本画面に2人以上映りません。いつかの独り言や1対1の会話で進んでゆくのが、この状況下をうまく表現していると思った。
なによりのんと山下リオがすこぶるかわいい。渡辺大知は相変わらずの安定感。部屋の散らかり具合もめっちゃ落ち着く。こんな世の中になって私みたいな夢も希望もないおばさんでも辛いのに若い人達は本当に気の毒でならない。それでもこれで過去も未来も全てを失う訳ではもちろんない。
光が射し込む部屋に大量のリボンが舞う。きつく結ばれたり、誰かを彩ったり、時には傷を隠したり、風に乗ってゆらゆらしたり、いつだって自由でいい。ラストシーンが心地良かった。
ユルさが心地良くて、その中でもしっかりと伝わってくる映画
いきなり辛いシーンが来るの。
努力は無駄になる事も有るけれど、努力自体がまるで無かったかの様にされるのは辛いですよね。
若い人には、良くても悪くても、努力に対する結果を出さしてあげたいな。
そんな感じで始まるんだけど、そこから先はユルい感じで映画は進んで行くんです。
家族が笑いの刺客の様に送り込まれて来る。
コロナ禍の厳しい状況なのに、なんかほのぼのとした感じが有って、観ていて心地良いんですよね。
話は進んで、二人が大学に忍び込んだ時に登場する平井の絵が、凄く良いんです。
なので、映画の撮影の為だと分かっていても、叩き割られる所は、観ていて嫌な気持ちになるんですよね。
だけど、形を変えても素敵な作品として再び登場するから、その嫌な気持ちも消え去るの。
形を変えても輝き続ける物って有るんですね。
ほのぼのした温かい感じが有りつつ、しっかり伝えたい事が込められた良い映画だと思います。
のんちゃんファン以外もぜひ
気持ちを完全に理解できないけれど、垣間見ることはできた
自分は52歳なので、
このコロナ禍を、自分の年齢なりにしか
理解できていなかったことに気がつかされた。
どうしようもない状況に置かれて、
今の若者はどうしているのか、
垣間見れたと、少し思えた。
自分の学生時代の勝手気ままさに比べ
コロナ禍という理由だけでなく、
今が相当不自由なんだということにも
思いが至った。
それでも、変わらないところもあって、
他人からのちょっとした言葉で
力をもらって、動き出すことができる
そんな様は、少し懐かしく、
眩しく見えた。
マスクしているから、
昔の友達に気がつかない、
関係なく、それでも気がつく、
マスクがあるが故の距離感が、
マスクを取ることで縮まる、
今は大変かもしれないけれど、
それでも、いろんな表現を
見出すことができるんだな
と少し嬉しくもなった。
のんさん、主演、脚本、監督、編集。
これからも楽しみです。
超個人的には、
のんさんを始め、山下リオさん、小野花梨さんと
推している女優さんがたくさん出ていたのは
嬉しかった。
ラストはすごくいい
時間を壊した先に見えたもの
公開するべきタイミングが遅い
何度か公開が延期されたでしょうか?2021年は月には海外の映画祭で公開されていたようです。
コロナ禍で全員がどこか異常で、各キャラ、なんでそんなことやるのか?なんでそんなこと言うのか?引っ掛かりが多くて、なんだこいつ?と不快に思えました。
作品捨てて謝らない
自分は手も洗わずアルコール撒く
とか。
途中から、多分狙ってこうなってるのか、と思ってから、ちょっと切ないと思えました。
予告通りではありますが、「コロナ禍で大変だけど頑張ろう、いつか良い事がある」というメッセージの強い映画です。
観る人がコロナ禍で絶望しているほど刺さると思いますが、これだけ異常に慣れてしまっているし、世界的にコロナ禍がひと段落つきそうな(希望的観測)時期に公開されても、そのメッセージは刺さらない。
映画を作った時の熱と、今とではちょっと違うのかと。
個人的には、最後のエンドロールがいちばん感動。そうか、これだけの人の熱い思いが「あったのか」と。
2021年に観たら泣いていたかも。
普通に、のんは多才でかわいいなぁ、、と思ってしまった。
余談ですが、配給がイオンエンターテインメントなのに、イオンシネマでは公開されないのは何故だろう。仲が悪いのか?こないだも思いました。
イオンの本社のある千葉市幕張には、おおきなイオンモールとイオンシネマがあるのに、幕張の違う映画館で鑑賞でした。
映画とは関係の無い、配給の都合が残念。
のんちゃんの生きざまにふさわしい、のんちゃんそのもののような作品
家族や仕事を別にすれば、自分もスポーツ、演劇、映画、ドラマ、美術、音楽などを大きな支えとして生きてきた人間だ。コロナがまん延し、こうしたものが「不要不急」として軽んじられたこと、それらを生業として日々闘っている人たちが批判の対象とされた状況には怒りを覚えたし、何とも耐え難かった。
そうした意味では、自分ものんちゃんの悔しさや怒りにすごく共感する人間なのである。
のんちゃんが脚本、監督、主演、編集などを担ったこの作品は、そんなコロナの状況を美大生の姿を通じて表現したものだ。テーマは深刻ではあるのだが、コメディーの要素をふんだんに盛り込むことで、シリアスになり過ぎない描き方をしている。このあたりは、コメディー好きののんちゃんらしい。特に前半は、コロナへの対応をめぐって家族4人が戸惑うさまをちょっと滑稽に描きだす。登場人物たちは、どこか愛嬌のあるタイプで、お互いのやりとりを見ていると、笑いがこぼれる。この部分は好き嫌いが分かれるかもしれないが、笑いの要素が嫌いじゃない人は、のん監督の持ち味として十分に楽しめるはずだ。
シリアスな要素が深まる後半も、のんちゃんのいたずら心が随所に発揮されている。夜、学友と大学に忍び込む。警備員に追いかけられても談笑しながら2人が駆けて逃げていく姿を後方からだけで映しだしたシーンには、逆境に負けないことを誓った2人のエネルギーと若さがほとばしっている。真剣なテーマを扱いつつ、そこに笑いやいたずら心、前向きなチャレンジ精神をうまく盛り込み、のんちゃんの生きざまにふさわしい、のんちゃんそのもののような作品に仕上がった。
もちろん、主人公に感情移入し切れないところもある。見方によっては突っ込みどころもあるでしょう。ただ、これが劇場公開1作目であることを考えれば、大いなる可能性を感じさせる映画監督が、しっかりと名乗りをあげたと言い切っても構わないはずだ。
15歳で単身東京に出てきて10数年。おそらく彼女は多くの監督・スタッフ、役者さんや作品をじっくり観察して、その中からいろいろな技術や精神を濃密に盗み取ってきたのだと思う。一方で彼女はいろいろな点で相変わらずのハンディを背負っている。例えば、この作品もイオンがかかわっているはずなのに、イオンの映画館ではほとんど上映されていない。裏には独特の事情があるのだろう。彼女の前には高い壁が立ちはだかっている。
ただ、ハンディがない状況なら、果たして20代半ばで自ら映画をつくるようなことを考えただろうか。いろんな仕事が殺到し、テレビドラマにも引っ張りだこであったかもしれない。それはそれで居心地のいい場所だったかもしれないが、不自由な環境に置かれたからこそ、自ら考え、自分と向き合い、作品を生み出す方向へと意欲を燃やすことができた。自らの思いをぶつけて脚本を書き、先達たちの意見にも耳を傾けながら芝居を指揮し、編集も自分で行った。サンボマスターに自ら手紙を書いてテーマ曲を依頼。世間に広く名前を知られた女優さんが、20代でそんな難しい作業に粘り強く立ち向かい、2時間の作品に仕上げた。そこで得た経験やノウハウはかけがえのないもの。そう簡単には揺るがないだろう。人間、何が幸せかは分からない。
サンボマスターの力強い応援ソングとともに流れる映画のエンドロールに、「脚本・監督 のん」という文字が浮かび上がった。15歳で夢を抱いて田舎から上京した少女のその後の10数年の歩み、真摯な成長ぶりを思うと、あまりに感慨深くて自然に涙がこぼれてきた。
日本の芸能界の「ドン」の皆さんの何人かは、上映映画館の少なさや映画の出来映えに皮肉な笑いを飛ばしているかもしれない。所詮は徒労感を伴う努力だと。そんな「ドン」たちの傘下には、立派な役者さんも、CMやテレビ出演で多額な利益をもたらす役者さんやタレントさんもいらっしゃるでしょう。それでも、自ら訴えたい題材を胸に脚本を書き、面倒な作業を貫徹して粘り強く作品を完成させる志の高さや技術・ノウハウを備えた若い才能は、そうそういないはずだ。エンターテインメントは夢を売る世界。若い情熱や才能を嘲笑するような人間たちは、本来エンタメの世界にはいらない。
企画、脚本、監督、主演、編集、のん大変だったろうな。
コロナ禍に生きる人達にエールを送りたい制作者達の気持ちが伝わってきます。
のん演じる、浅川いつか は卒業式間近の美大生。みんな卒展に向けて頑張って作品を作っていたのに、突然中止に。学校も休みに。やることが無くなったいつかはモチベーションを無くしダラダラ生活の毎日。山下リオ演じる、できる親友の平井も平常心ではいられない。彼女は絵を描くために学校に忍び込んでいたことがバレて、退学になりかねない状況に。いつかはデザイン会社に就職の内定を取り消され、これまでやってきた自分の努力が無駄だったと感じてしまう。
おっさんの自分には実感は無いけれど、今はそんな学生だらけなんだろうなって思った。
後半、なぜ絵が好きになったのかを思い出させてくれる同級生との出会い。そこから、気持ちをプラス思考に切り替える展開が、とっても心地良かった〜。チョコチョコ出てくるリボンイメージ、こんなん見えてたら天才だよな!
かわいいバカが、どはまりの、のん。自分の事よく分かってるよね。
いつまで続くか分からないパンデミックだけど、何年後かに、こんな時代もあったよね〜って振り返る作品だ。みんな、頑張ろ〜!オ〜!!
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