「芸術家にとってパンデミックは関係ない。」Ribbon マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
芸術家にとってパンデミックは関係ない。
芸術家にとってパンデミックは関係ない。ましてや、形を残せる絵画等の芸術は、作品を創造できる時間が生まれるので、パンデミックは一切関係ない。『パンデミックで作品が残せない』は弁解でしかない。
映画はショートコントの寄せ集め。テーマを決めて、起承転結をはっきりさせるべきだ。評価できる出来ないはそれから。
我が亡父の一歳違いの弟が絵描きをやっていたのだが、僕がガキの頃、そのオジキと同居した事がある。そのオジキの為のアトリエがその家にはあって、そのオジキはそのアトリエを独り占めしていた。我が亡父が長男でその家の跡取りだったが、その一歳違いの弟がまだ独身でいたので、アトリエを親に(祖父に)作ってもらって、親の経済で貧乏絵かきを暫くの間続けていたのだ。さて、かわいそうなのは、なんの取り柄もない我が亡父とその配偶者の母。そして、僕だった。
さて、それは兎も角、アトリエは出入り禁止になっていた。しかし、大邸宅と言う訳でもないので、しばしば、遊び場を探して、そのアトリエへ忍び混んでいた。ある日、忍びこむと、デカいわけの分からない絵が飾ってあった。
ク◯ガキが忍び込んてやることと言えば、言うまでもなく1つだけ。しかも、その絵は上と下が分からない様な絵だ。
触った。
明らかに指紋位は残ったであろう。乾いていなかったのだ。さて、その後、どんな目にあったかは、実を言うとよく覚えていない。しかし、数日して我が亡父は跡取りの権利を放棄して、実家から出ることとなった。僕が絵を指で触って大事な作品を駄目にしたからだとは思えない。しかし、亡父は亡父になる迄、その理由に付いては話してはくれなかった。ただ『あんな絵は指で触ったくらいが丁度良い』って僕の告白を鼻で笑っていた。
かなりあとからそのオジキから聞いた話では、その絵で海外に留学出来たとか。
絵画芸術なんてそんな物と昔も今も思っている。でも、素晴らしいと思える絵は沢山ある。それは自分が素晴らしいと思えるからだと今では思っている。素晴らしいと思えないものは、残念ながら、僕にとっても素晴らしくない作品たのだ。