家(1984)のレビュー・感想・評価
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興味深い記録映画ですが、ちょっと皮肉混じりかな?
完全なる興味本位での鑑賞です。
1984年の作品であり、その当時の東ドイツの役所の数部署にカメラを置き、市民の陳情や相談を受け付ける様が映し出されます。
1984年、そんなに昔ではないです。僕は80年代の洋楽にハマってた時期です。作品冒頭に「NENA」のヒット曲が。。。あぁ、あの頃の東ドイツかと思うと、非常に奇妙でした。まだ大人になっていなかった僕としてはドイツ=Nenaのイメージが強く、西も東も関係なかった記憶があります。社会(共産)主義も民主主義もどうだろうと関係なかったんですね(笑)
東ドイツは社会主義国家。でもイメージした世界とちょっと違って、、、ソ連とは違うってことなんですが、、、良心的な管理社会のような気がしました。先日観た「DAU.ナターシャ」という作品と同じなんだろうと、思ってました。でも、違って見えました。役人は(守るべき方針はあるでしょうが)市民へは高圧ではなく良き相談相手となっていました。もしかして、システムとしては有効に機能していたなだろうかなぁなんて思います。資産は国有ですから家も条件によって与えられるんですよね。市民はなんか嘘言ってる気もするし、「それはあなたのわがままでしょ?」って思う時もありますが、丁寧に対応してますねぇ。
さらに、さまざまな部署での相談が映し出されますが、驚いたのは子供の勉強や躾などのアドバイスをする場面もありました。まるでその子供の親みたいなフォローをしてましたし、さらに親に親自身の課題まで指摘。どーいう位置付けで、どんな権限でどんな役割だったんだろ?と。
一番の驚きは結婚式です。これは、これは驚きます。一見の価値ありです。けど、社会主義ならこうな流のかなぁ?って。だって戸籍情報が変わるわけですし、きっと税金とかも変わるし。いやいや、興味深いです。不思議に、市民の生活が浮き上がってきますね。
誰か役所の方が言ってましたが「今日は62人の話を云々。。って」とんでもない処理量です。社会主義で市民寄りの施策をしていたのではないかな?って思わせてくれるほどです。本当のところはわかりませんが。作中の演出で、一つの場面(相談)が終わるとその会話の中での役人の発言がテキストで表示されます。拾ってる言葉が、役人への皮肉に見えたのはなんだろうな?役人は断るの仕事なんて思われているのかな?
2006年W杯をドイツに観に行きましたが、今思えば感慨深いですね。こういう映像を見るとさらに。
見る価値ありです。
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