「主人公の恐怖や苦悩をもう少し描いて欲しかった」ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0主人公の恐怖や苦悩をもう少し描いて欲しかった

2022年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

過激な公民権運動を行う「ブラックパンサー党」。その組織の情報提供者になることを強要された主人公が、組織のリーダー・フレッド・ハンプトンと関係を深め苦悩する物語。

事実に基づく物語のようですね。
内部に潜入した捜査官、或は内通者の苦悩を描く物語は珍しくありません。「潜入がバレることへの恐怖」、或は「対象者への共感から抱く苦悩」。この作品もそんな内通者の感情を描かれています。

やはり事実に基づいた・・・の言葉はとても重く感じます。
酷い差別、先鋭化する公民権運動、そして公僕とは思えない官憲の弾圧。時代とはいえ、過酷さを感じざるを得ません。

そんな時代だからでしょうか。強烈なリーダーシップと理想を語り、カリスマ性を見せるフレッド・ハンプトンが魅力的です。そしてそのハンプトンを諫め、窘め、そして支える夫人のデボラも素敵ですね。

ただ、時代を描き過ぎたように思います。先に挙げた「恐怖」は勿論、主人公とハンプトンの繋がりの強さ、そして繋がりよって感じられる苦悩・・・それらの描きが足りないように感じられ、その分だけ面白みを感じることが出来ませんでした。

私的評価は標準です。

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よし