「2012」グリーンランド 地球最後の2日間 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
2012
彗星の落下で滅亡の危機に瀕した地球で、シェルターのあるグリーンランドを目指す家族の物語。
色々と似た映画を思い出してしまいますね。「彗星」括りでいえば、「ディープインパクト」。彗星からの隕石・・・と言うことで言えば「君の名は」が思い浮かびます。
ただ、もっとも近い映画としては、「2012」でしょうか?「近い」というよりは、基本プロットはまんま「2012」ですね。
突然の人類滅亡の危機、存続の為のシェルター、主人公家族のシェルターまでの脱出劇、そして前を向けるエンディング。
ですから、私的評価も「2012」と似た寄ったものになります。
正直、人類滅亡の中で家族だけが逃げ惑うストーリー展開は、余りカタルシスを得ることが出来ません。どうしても、「エゴ」の問題が見えてしまうからです。人間なら当たり前なのですが、映画の主人公として見た場合、それは興ざめを感じるものです。
例えば、飛行機を強引に止め重量オーバーで多くの人を危険にさらす主人公と、子供を拉致して飛行機に乗ろうと画策する夫婦と、どれほどの差があるのでしょうか?
エゴはエゴとして、しっかりと描かれていれば、人間ドラマとして秀逸なのでしょうけどそういう描き方ではありませんし。
映画全体で、もう少しディティールを求めても良かったようにも思います。人類存亡の危機・・・ですから、戒厳令が引かれるでしょう。或は逆に無法地帯に近い状態になるかもしれません。
報道制限もされると思います。そんな中でインターネットがどのような役割をするのか・・・等が描かれたら、今の時代に即した興味深い物になったように思います。スマフォは持っているけど、メールのやり取りだけ。情報はTVやラジオ・・・では時代設定は何時ですか?と思わざるを得ません。
最後に夫婦どちらかの犠牲があるのであれば、それは映画的に凄くインパクトがある展開だったと思いますが、予定調和とも言えるエンディングではただ漫然と終わっただけのように思えます。
大作ではありますが、私的評価は極めて厳しめです。