「ガッデム、バンド!」グリーンランド 地球最後の2日間 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ガッデム、バンド!
今年はアメイジング・グレイスの当たり年なのか、この映画でも教会の前で歌ってる人々がいた。コロナ禍のため世界各地で歌われてるのも事実だけど、やはりその影響なんだろうか。
この作品はディザスタームービーであることは間違いないのですが、なぜか人々の善悪の両面をあぶり出し、選ばれた人への羨望や醜い争いまで描いています。そして選ばれなかった人たちの厭世観や悲しみまでも・・・。エンドロール最後には7.1surroundなどとロゴが出てきますが、in selected theaterという非情なまでの言葉も付いている。まぁ、どうでもいいんだけど。
暴動、火事場泥棒、世の中は悪意に満ちているのか?などと思わせておいて、中には聖人のような人もいると訴えてくる。48時間で絶滅規模の災害が起きるのなら、みんなと一緒にディザスターを味わおうと思う人だっている。何せ、史上最大の天体ショーも見られるわけだし、人生最期の自然界絶叫マシンだって体感できるのだ。我先にと争って、人を殺してまで助かりたいとは思わない。
ローランド・エメリッヒが得意とするディザスタームービー。色んな作品がある中で、ノアの箱舟とか選民思想みたいな内容のものは嫌い(『ノウイング』等)。勝手に生き残って新世界作れや!みたいに投げやり感によって後味悪くしてくれる。で、この作品はその点においてギリギリセーフかな。ジェラルド・バトラー演ずる主人公には共感できないものの、軍用機に群がる人々を銃撃する軍の性質とか、社会派的な部分もあった。おぞましい・・・
で、カムリだったか、無断借用した車は返しに行くんだよね?