「共感出来る部分が多かった。」真夜中乙女戦争 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
共感出来る部分が多かった。
破壊する。
一番に破壊したいのは《自分》
そう僕(永瀬廉)は言う。
神戸から東京の大学へ入学した僕は、授業20日目で、
英語古語の教授に、食って掛かる。
「あなたの授業にはNetflixスタンダード3ヶ月分の価値もない」
その様子は撮影されてネットに拡散する。
ちょっとした有名人になった僕。
そして突然、家庭教師のバイトをクビになり、
深夜の物流倉庫で激安バイトにつく。
うちの息子を思った。
入学した大学はコロナでリモート授業。
リポート提出の意欲も湧かない様子。
キャンバスへは、いったい何回通っただろう。
クラブも同好会もなし。
理系なのに実験はおろか実習もゼミもない。
失望した彼は中退の道を選んだ。
深夜コンビニでバイトをしている。
深夜3時の荷出し。
バイト仲間の主婦の子供が発熱して、振り替えを彼がすることに。
体調を崩す彼。不吉だ、なぜかそう思う。
彼がどんな鬱屈を抱えているかは知る由もないが、僕、同様に、腐った青春、
イヤ、青春以下だ。
僕(永瀬廉)
僕の人生を狂わす、
黒服(柄本佑)
同じく僕を掻き乱す美しい先輩(池田エライザ)
東京タワーは真っ赤なイルミネーションで、
僕には、
黒服と先輩のように魅力的だ。
先輩の美しさ洗練、悪魔性そして魔性。
(先輩もまた寄るべない生を生きている根無し草)
黒服の人を思いのまま操るカリスマ性。虚無。
黒服は有り余る財力と知力で東京をぶっ壊そうと計画する。
ラストを飾る、
「真夜中の乙女戦争」
こんな夢を若者は、ひとり残さず見ているはずだ。
(連日のロシアのウクライナ侵攻のニュース。)
(戦争が現実的かつ身近に日常的に聞こえる。)
永瀬廉、柄本佑、池田エライザ。
敵役だった。
エライザは、カリスマ性があり、憧れの先輩を、体現している。