劇場公開日 2022年1月21日

「自分にはこんな映画は撮れない」真夜中乙女戦争 リュウさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分にはこんな映画は撮れない

2022年1月26日
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映画を撮っている身からすると、
自分には一生かかってもこのような映画は撮れないと思いました。
それぐらい監督の作品熱が篭っていたし何より脚本・編集まで監督自身で行なっている映画はやはり違うと感じました。

あと、この映画は好きと嫌いが大きく分かれる作品だとも思いました。
嫌いと思う人の大半は、カメラワークがものすごい速さで720度ぐらい回転したりして頭がぐるぐるしたり、
突如カットの切り替えなどでスクリーンから観客に向けての光の光量がバンっと大量に向けられるので、フラッシュが苦手な人、眼が弱い人などはそういった面でオススメできません。

ー私がなんでこの映画を観ようと思ったのか。ー
映画を作る身でありながら大変短絡的な見解で申し訳ないのですが、
私は目に留まった予告編で面白そうだなと思ったものをキャストを選ばずに鑑賞します。
映画のタイトルのセンスで選んだりもします。
あとは誰が監督なのか。

二宮健監督は「チワワちゃん」で存じておりました。
とても観たかった作品だったのですがまだ鑑賞できておらず、人間の善悪の心理描写をリアルに再現するタイプの監督なのかなとお見受けした次第、気になっていました。

そして今回タイトル漢字7文字と予告編での抽象的なワードセンスに加え、邦画でありながら東京破壊という壮大なスケールをぶつけてきていたのでどんな映画になるのだろうと好奇心が燻られました。

結果的に言うと私的には面白かったです。
自分には全く無いスピリットを始終感じていて、全く先が読めず訳が分からないのさえこの映画の見せ方なのだと思わされました。
登場人物が全員何を考えているか分からない。
ミステリアスな雰囲気が良かったです。

河野竜太