劇場公開日 2023年1月13日

「今の私に必要な映画だった。 映画が好きでよかった。」そして僕は途方に暮れる ともさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今の私に必要な映画だった。 映画が好きでよかった。

2023年1月25日
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鑑賞方法:映画館

個人的にはすげぇすげぇ面白い映画だった。
『窓辺にて』から言葉をちょっと借りると、
「今私に必要な映画だった」って感じがする。
ちょうど、色んな現実から逃げたいと思っていたところだったから…

臆病で不器用な主人公が、現実や人間関係から逃げて逃げて逃げまくるはなし。

なんか主人公が憎めないのは、人に言われたことから反省して、本人なりに頑張っているからだと思う。家事をしはじめたりとか。

人間関係を切りまくって、いよいよ底辺に堕ちはじめた終盤でやっと、どうにかして現実に向き合い相手と対話し始める。
世間一般からは「そんなの人として当たり前だろ」って思われることかもしれないけど、
だからこそ、本人は分かっているからこそ、すごくすごく勇気のいることだったと思う。「よく頑張った」と私は褒めたい。

「なんか、なんか…」上手く言葉にできなくて、
でも必死にもがいていて、恥ずかしくて痛々しくて情けなくて、でも美しかった。
限界値まで人間くさい映画だったと思う。

後輩くんという存在は結構面白かったと思う。
というか、彼女、親友、先輩、後輩、等々と接するときの主人公の変わり方や関わり方がリアルでとても面白かった。笑 それだけでもう十分面白い。
親友に、「好きな監督が駄作を作ったとしても、監督自体を嫌いにはならないだろ?そういうことだよ」というようなことを言われるんだけど、このセリフがまた暖かくてとてもいい。
ちょこちょこと、映画ネタを挟んでくるのも個人的にはとても好きだった。

あとはもう、トヨエツの存在感が最後まですごい。笑
そこででてくるか!?とびっくり!笑
たしかに、「がんばった」わ!!笑

酸いも甘いも失敗も、あくまで人生のなかの1ページ。
どうしようもなく途方に暮れても、「面白くなってきた」とドーンとかまえてみろ。案外周りの人は優しいし、どうにかなる。
苦しくなる展開は多かったけど、根本にとてもとても優しいメッセージを感じた。

とも