「クズな裕一くんの逃避行」そして僕は途方に暮れる さくらんさんの映画レビュー(感想・評価)
クズな裕一くんの逃避行
途中ウトウトくるかと思ったら、意外にも結末どうくるかが気になって、最後までしっかり観れましたね。
それにしてもクズでしたね。裕一くん。
友達の伸二の部屋に居候させてもらっているのになんだあの言動。本当に人として最低だわって思っちゃいました。
もうすぐにグチグチ言われてバツが悪くなると面倒になって逃げちゃうを繰り返す。友人、先輩、家族にも同じことを繰り返す。ただ後輩にはさすがに言い出せなかったみたいですけど。
やはり血は争えないのか、裕一のお父さんも逃げて逃げて借金も踏み倒し、パチンコ三昧の毎日。もう誰も知り合いはいなくなったという逃避のプロでした…
どうしようもなくなったときは、「面白くなってきぜ!!」と思えという何とも説得力の欠片もないアドバイス。
その上、離婚した母が倒れたというのに、それを聞いても何も行動しない父。でもそこで初めて、こんな人にはなりたくないという意志が芽生えたわけです。
また、父は言いました。
逃げてる間に周りが勝手に熱りを冷ましてくれて、地が固まってくれると。実際もその通り、裕一が里美に向き合わず逃げている間にしっかりと地は固まってくれていました。あの時しっかりと里美と向き合っていればこの結末は避けられたのに…。
あーあ、そして僕は途方にくれましたとさ。
結局行く場所なんてどこにもないんだと。
原田美枝子さんは百花に続き、ちょっとか弱そうなお母さん役はお手の物でしたし、香里奈さんの気の強いお姉さんも板についてましたね。何しろ、豊川悦司さんがいることで芝居がキュっと締まるのはやはりさすがですよね。
この作品、舞台やってからの映画化だったようですが舞台のほうも観てみたかったなと思いました。
何の前情報も入れずに観たのですが、大好きな毎熊克哉さん、野村周平さんも出てきたので、お得感あってよかったです。