そして僕は途方に暮れるのレビュー・感想・評価
全130件中、1~20件目を表示
友達の家に転がり込んでおいて「ティッシュ買っといてよ」「布団敷いと...
友達の家に転がり込んでおいて「ティッシュ買っといてよ」「布団敷いといてよ」「テレビまだ見たいんでいいでしょ」と自己中心的な振る舞いをみせるけど、「布団敷いといてよ」のように欲望をエクスキューズなしにそのままストレートに言えてしまうのは逆にまっすぐで素直な人間なのかとも思った。
けど先輩や母親の前ではそういったことを自制できてるあたり、やっぱただの悪質な人間なんだなと思ってつまんなくなっちゃった。
最初はイライラしながら見ていたけれど、
中々面白い映画だった。
アイドルの酷い演技を想像してたんたけど、藤ヶ谷の演技も良かった。
最後は自業自得ってな感じでスッキリしました。
やはり悪いことをしたら自分に返って来るものですね。
なんだ、このクズ男は! と思いながら見てるうちに、あ、これ、俺じゃ...
なんだ、このクズ男は!
と思いながら見てるうちに、あ、これ、俺じゃね?
と気づいた。
なので、途中で本気で見るのやめました。
つらい。逃げても逃げなくてもつらい。
世間は、煩わしいことだらけだもんな。
原作?脚本?書いた人、ありがとう。
身につまされた。
「ありがとう」を言わない人間性
登場人物に共感も思い入れもできず、最後までつらいもの
だった。タイトルとなりエンディングにも使われた、若い頃聴いた名曲は失恋の喪失を歌った歌だったが、本作の主題はそこには無いようだ。
冒頭から、主人公の裕一のダメな部分、というか全体的なダメさ加減が描かれる。ヒモのクセに何もしない、やってもらってアタリマエ、感謝の気持ちが無い。パートナーの里美もなぜ我慢して同居しているのかわからない。それは友人の伸二宅に転がり込んでも変わらない。怒られそうになると逃げるように出ていく。ひょっとして、何か欠落した、障害を持った人の生き様が主題なのかと勘違いするほど。
しかしお話はそういう方向にならない。もっと酷くダメな父親が登場する。遺伝だから、それが免罪符になるのか。
案の定、里美は伸二と良い仲になり、裕一は捨てられる。誰もが当然の結末と思うが、里美は罪悪感を感じて泣いて謝り、裕一は伸二との友情を壊した行為を責める。伸二は里美が告げるまで黙っている。これら一連の行動の何れも共感できない。
裕一の姉が、唯一マトモな人物のように思うが、歪んだ人間性を直すまでに至っていない。
ただ、姉に裕一が黙っていることを責められ、自分の気持ちがわからない、説明できないと吐露するところ、ここだけは実感が伴っていた。
やはり、このお話は主人公が障害を持った人間である、という視点を明確に描いた方がスッキリしたのではないかと思う。
「父親力」MAXな一本
<映画のことば>
父親として、お前に言っておく。
逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げ続けろ。
そうして、どうしようもなく怖くなったら、映画の主人公にでもなったつもりで、こう思うんだ。
「面白くなってきやがったぜ。」
これで、すべて解決する。
<映画のことば>
やっぱり、お前は俺と違うな。
全然、面白くならなかったじゃねぇかよ。
人間、生きていくためには、時には「逃げる」ことも必要になることがあるのかも知れませんけれども。
破綻するたびに、それぞれの人間関係から逃げて、逃げて、逃げまくってきた裕一が、初めて(ようやく?)自分と向き合い、(これだけの人間関係の破綻を経験して来たのに)「何も変わっていないんですよ、俺。」と気がついたことが、裕一の最大の変化だったのだろうと思います。評論子は。
そこまで来られれば、大丈夫でしょう。
現に、その後の裕一は「最大の危機」も、ちゃんと乗り越えることが出来ていた訳ですから。
そして、裕一をそこまで「押し戻した」のは、何と言っても父親の影響力を置いて、他にありません。
女子力ならぬ、「父親力」MAXな一本というべきでしょう。
佳作だったと思います。評論子は。
(追記)
たまたま同じ時期に観た別作品『ちひろさん』も、生き様(ざま)ということがテーマの作品でしたけれども。同作中のちひろさんのように「逃げない」「運命に真正面から抗(あらが)う」という生き方も一つとすれば、本作のように「逃げる」ということも、それはそれで一つの生き方なのかも知れないと思います。評論子は。
省みて、二人の子供たちから見て、評論子はどんな父親だったでしょうか。
おそらく、その本心を聞く前に、評論子の柩の蓋が閉じられるとは思うのですけれども。
そんなことにも思いの至った作品になりました。
(追記)
しかし、何ですか、この映画は。
本当はコメディですか?
そういう前段の組立ても、本作の「味わい」を、いっそう深くしていたとも思います。
学生演劇ご出身の方のようですけれども、こういう作風の監督さんなのでしょうか。
だったとしたら、「追っかけ」をするのが楽しみな監督さんに、また新しく出会えたようにも思えて、嬉しい限りです。評論子には。
(追記)
裕一の郷里の「北海道」って、苫小牧市のことだったのてすか。
シネマ・トーラスでのロケがあったのですね。本作では。
「王子総合病院」も、市内では大きな病院のひとつです。
そして、王子製紙の煙突や、苫小牧駅のコンコースも映っていました。
ちなみち、苫小牧市は評論子の地元ではないのですけれども。
それでも、同市内で別の集まりがあって、その機会に月にいっぺんくらいは、ここシネマ・トーラスでも映画を観ていることを、申し添えておきたいと思います。
ゴキブリ
藤ヶ谷の逃げ足の速さがゴキブリ並みで途中からゴキブリ映画かと思った
あんなくそ男無理すぎてもはや笑えてくる
振り返る表情とかは上手いなあ思ったけどそれ以外はなんの感想もない とにかくゴキブリ
因みに前田敦子の怒った時に出るキンキンした声無理なんよなあ
よくあーゆー声出すけど本当嫌いなんだよなあ 耳塞ぎたくなる
いつのまにか自分の物語に
何かあったはすぐ逃げる主人公に、なんだこいつって観ていたのにいつのまにか自分の中にある主人公に共感して苦しくなり主人公を応援したくなりました。
鑑賞後にいろいろ考えさせられる映画らしい映画だと感じました。
意外に面白く、普遍的なことが描かれている
結局、最後は大好きな大沢誉志幸さんの曲が流れてきた。
曲から物語を思いついたのか、作品のタイトルを曲と被せたのかわからないが、タイトルはこの作品に似合っていることにしておこう。
物語全体を通して、一つ一つにオチのようにどんでん返しと結末がある。
そしてモチーフとなるのが「映画」という言葉。「ねじ巻き鳥クロニクル」の「シナモン」の型を使い、後輩の助監督がこの作品全体を作っているという構成なのだろう。
父と一緒に映画を見て、父は「ハッピーエンドで意外につまんなかったな」というあたりがこの作品そのものの脚本を主人公のユウイチが書き、映画にしたということだろう。
ゲス男の主人公は誰から見ても共感できないが、そういう人は少なからずいるのかもしれない。
ユウイチのしっちゃかめっちゃかな生き方と父の生き方は似ており、「逃げて逃げて逃げ続けろ」と言いながらも、人生のタイミングを教え、無理やり里美に電話させることがきっかけで、ユウイチが父と一緒に生活していることが皆に知れ渡ることになる。
父の言う「世間とかかわらない生活は囚人と同じだ」という言葉は非常に強い言葉で、ユウイチの感情を揺さぶる。
母が倒れ救急車に運ばれたという里美からの伝言も5日間も放置していたが、慌てて駆け付けようとする自分と「面倒くさい」と言った父を罵倒するほど、実際ユウイチの心は死んでいない。
心配で駆けつけてくれた里美と伸二。にもかかわらず一人で食事しようとするユウイチに、姉がキレた。
ユウイチはようやく謝ることができた。
いま俺変わろうとしているけど、どうしたらいいかわからない。自分の中で何が本当なのかわからない。何かしないといけない…
彼の言葉はよくわからないものの、彼なりに自分と真摯に向き合っていることが伝わってくる。
伸二が話した「ユウイチという人間の中の、ただの失敗」という言葉は、本当にその通りだと思った。
里美の態度も、彼を許している。東京、まだある戻る場所はある…
物語は一旦クライマックスを迎える。父の登場と4人で過ごす年越し。
そば二人、カップそば二人というのも面白い。
すべてハッピーエンドかと思われたが、美里は伸二と付き合っていた。
すべてはユウイチが原因だ。
後輩からの電話「先輩、どうなりましたか? 結末教えてください」
「まだ終わってない。面白くなってきやがった」
後輩に対し父の言葉を遣ってみた。
最後は冒頭のシーンと同じカットで終わる。 しかし表情は全然違う。逃げ隠れする目と退職的に挑戦する目になっている。
この「面白くなってきやがった」という言葉は、人生を変えていくための普遍的な強い言葉だ。
俺は人生に陥っているんじゃない。このピンチを楽しんでいるんだ。
嘘でもいいからこの言葉を遣うことで、必ずピンチをチャンスにできる。
この作品はクソ男で共感できず、結局やってしまったことのツケを支払わされるうえに、ひねくれたクロニクルで表現しているものの、この普遍性を強く描いている。
つまり見るべき点はその1点しかない。
藤ヶ谷さんはこんなにも良い役者だったのか
タイトルだけ見てWOWOWを録画しておいただけだったため、出演者情報もストーリーも全く知らないまま観た。
藤ヶ谷さんは歌番組やバラエティで見たことがあるくらいで演技のイメージがなく、最初本人だとは思わなかったほど、纏う雰囲気が違い驚いた。良い意味で全くアイドル的なものを感じることはなかった。勿論下手な人もいるが、最近は俳優専業より才能があっても、演技を見もせず穿った見方で見られ、評価を低くされているタレントも多いと感じる。藤ヶ谷さんももう少し評価されても良いのでは?逃げ続ける人生、程度はあれこういう人いるだろうなと感じさせるものだった。
中尾さん、野村さん、毎熊さんも安定して良い演技だった。特に中尾さんの役はとてつもなく良い親友といった感じだったが、最後もリアルだった。改めて上手いなと。
原田さんのリウマチを患った動きもわりとリアルで良かった。あまりこういう動きをする演技の作品は観たことがない。こちらが心配になり手伝いをしたくなる演技だったのも評価を上げるポイントとなった。患っているにも関わらず、夫だけでなく子供達にも離れられてしまった状況は、こういう親不孝な人間も現実にいると感じさせたが、最終的にあぁなってしまえば子供も逃げたくなるだろうと思った。とはいえ、病や孤独につけこまれる感じもリアルで苦しくなった。
普段1人で暮らしているとはいえ、無理しないでと言いつつ、雪の中暗い時間に体の不自由な母親1人に買い物に行かせる姉が怖かった。帰った時ぐらい手伝うか自分が行くかしない所が、姉弟揃って似た者同士で、そういう育ち方を母親がさせてしまった感じも痛々しかった。
それにしても豊川さんは流石。リアルに感じさせる説得力を出てきた瞬間に感じる。この父親にしてこの息子と感じさせた。涙の場面でぐっときて作品の評価を上げた。
父息子の部屋のシーン、ストーブが物と近く、酔っ払ったまま寝たら火事になりそうな気がするのも演出なのか?こういう人が火事を起こしそうだと感じて怖くなった。
前田さんはやはり演技がいまいち。華やかな役は似合わないとはいえ、他の人との演技力の差が出てしまう。もう少し出演時間の少ない役、重要な役柄ではない役にした方が良いのでは?
作品としては特別面白いわけではないが、こういう人間もいるという感じがリアルで飽きなかった。
周りも途方に暮れる‼️
藤ヶ谷太輔が前田敦子から逃げ出すシーンに始まり、藤ヶ谷太輔が前田敦子から再び逃げ出すシーンで終わる映画‼️主人公の裕一はジコチューで周りの迷惑も考えず、自分の都合が悪くなると逃げ出してばかりのダメな奴‼️親友、バイト先の先輩、姉、母、そして音信不通だった父など、あらゆる人間関係から逃げ続ける裕一の中で変化が起こり、自分を見つめ直そうとした時、親友と恋人がくっついてしまうという最悪の事態に。これから彼はどう生きていくのだろう・・・⁉️主人公にはまったく共感出来ないが、この共感出来ないキャラが様々な人間関係の中で変化し、新たなスタートラインに立つ映画‼️先はどうなるか分からんけど。役者陣は皆様素晴らしい好演‼️
香里奈は美人
『何者』のような大仕掛けな演出はなかったが、面白かった。
主人公は紛れもないクズだが、あんなオチが待っていては途方に暮れても仕方がない。
そしてその主人公を上回るクズっぷりのトヨエツ親父がいい味出してた。
あと香里奈はやっぱり美人だなー。
唯一
確かに途方に暮れていた主人公。
でも不思議と主人公がクズには見えずモヤモヤしながら観ていた。
それに、この映画は奇跡的に家族が揃うホームドラマです。その後に、ある場所で一緒に座る親子2人に父親が言う一言が、唯一クズだなぁ〜とモヤモヤが解消された瞬間でした。
藤ヶ谷太輔のなかなかのくずっぷりがよかった。 かなり図々しい性格で...
藤ヶ谷太輔のなかなかのくずっぷりがよかった。
かなり図々しい性格でありながら、それを責められると逃げ出して関係を断ってしまう。
息子から連絡があった時の母親の嬉しそうな反応は涙を誘うが、その母親は妙な宗教にはまっていたというオチがつく。
父親のトヨエツは単なるクズオヤジではなく、それなりに男気を見せたのはよかった。
また、ラストも単なるハッピーエンドではなく、そうきたかという展開も味があった。
「おもしろくなってきやがったぜ」というセリフ、私も使ってみたい。
切なくも滑稽なフリーターの生き様
僕は途方に暮れているのではない。
僕は逃げ回っているのでもない。
たまたまそうなっているだけ。
人のためになりたい。でも、実態は自分のことだけ。
友人は言う。「おまえの行動は、数ある監督作品の中の、たまたまの失敗作だ」と。
僕はますます自分がわからなくなる。
守ってくれるのは家族だけ。そうとも思える。
が、しかし、僕は僕なりに生きていくしかない。
僕を演じる、無表情の藤ヶ谷太輔のキャラが際立つ。
切なくも滑稽なフリーターの生き様を、無意識のままに演じきっている。
エンディングで大沢誉志幸が歌う、「そして僕は途方に暮れる」。
その奇妙なアレンジが、藤ヶ谷のキャラと見事にマッチして余韻が残る
逃げて、逃げて、逃げまわる男の物語。
嫌なこと、自分に都合の悪いことがあると、すぐにその場から逃げる、
というどうしようもないダメ男を描いた物語。舞台劇の映画化だそうですが、
そこそこおもしろかった。ただ、このダメ男にイライラしながら見てたこともあり、
ちょっとなかだるみしました。もう少しコンパクトにしても
よかったんじゃないかな。脇を固めている役者さんの力が大きいですね。
豊川さん、原田さん、さすがの演技だな。この二人が、映画のクオリティを
ググッとあげている気がしました。
全130件中、1~20件目を表示