「未熟な私」アメリカン・ユートピア TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
未熟な私
日本では2021年5月に封切りされた本作品、当時はコロナを気にして結局劇場鑑賞を見送ったのですが、今回、TOHO日比谷で再公演となったこの機会に遅ればせながら鑑賞してまいりました。
ただ、ずっといい評判を聞いていたにもかかわらず見送ったのには、私が一番洋楽に夢中になっていた80年代前半当時、正直トーキング・ヘッズに興味を持てなかったことを引きずっていた背景があります。
さて、今回の再上演には「特別対談映像」と言うことで、本編の前にデビッド・バーンとスパイク・リーの対談映像が付いており、二人の話でこのショーの観方が解説されとても参考になりました。
実際、本編が始まると非常に洗練されたパフォーマンスで美しく、またオーディエンスの興奮がとても伝わります。勿論、映像化された映画作品としても素晴らしく、このショーのコンセプトがより伝わりやすく作られているように感じました。
では「高評価必然」かというと、、やっぱり私には楽曲が今一つ盛り上がれない。。。アルバム『アメリカン・ユートピア』から5曲、トーキング・ヘッズ時代の9曲、他カヴァー曲など、全21曲の構成ですが、予習も復習もしていなかったので、殆どが「知らない」か「聞き覚えのない」曲たち。全然悪い気はしないのに、個人的には盛り上がりに欠ける内容で。
それと、私はセリフについた字幕を読むのには慣れているのですが、どうも歌の歌詞の字幕を読みながら聴くのが苦手。でも、これだけコンセプティブなショーにおいて、歌詞の意味とその重要度(ピーター・バラカンが字幕担当しているだけあるし)を考えると、どうしてもそっちに気を取られて、しまいには眠くなる。。。
まぁ、ひとえに私の未熟さが作品レベルに届いていなかったのだと思います。