劇場公開日 2021年5月28日

「昔ながらのデヴィッドのキャラ立ち」アメリカン・ユートピア shunsuke kawaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5昔ながらのデヴィッドのキャラ立ち

2021年8月5日
iPhoneアプリから投稿

映画『サムシング・ワイルド』の冒頭の曲、ロコ・デ・アモーレを聴いた瞬間、その飄々としたメロディで圧倒的なリラックス感と気持ち良い脱力と癒しを与えてもらって以来、大好きなデヴィッド・バーンの映画が観れるだけで最高。

今も変わらず、飄々とした感じで、シニカルなユーモアやとぼけたMCをかましながら、「寂しいから家に来てよ、愛するあなたにそばにいてほしい」みたいな曲が多くて、複雑な性格の人、その変人ぶりが笑わせてくれる。

一方で、アメリカの抱える黒人差別の問題でシリアスなメッセージ性ある曲も歌う。時には真剣になりながら。

デヴィッド・バーンと言う人は、シニカルで寂しがり屋で、人間嫌いな面もかいまみせながら、その曲のメロディは、心地よく、歌詞は甘ったるく、踊りは剽軽な感じ。でもデヴィッドのキャラが曲やメロディに出て、シニカルで寂しく聴こえるから面白い。そして、真面目で政治的なメッセージも発するというプリズムような人。

曲や踊りより、デヴィッド・バーンその人に関心が強くいってしまう。

そのプリズムキャラが本当に大好きで、今でも大好き。

これからもアメリカを代表する変人アーティストとして面白いことたくさんやってほしい。

屠殺100%