「【”このままで、現代社会は大丈夫なのかい?もっと、良い社会にしていこうよ!”現代アメリカの諸問題に対し、デヴィッド・バーンはアートロックショーで”愉しげ”に、警笛を鳴らす。】」アメリカン・ユートピア NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”このままで、現代社会は大丈夫なのかい?もっと、良い社会にしていこうよ!”現代アメリカの諸問題に対し、デヴィッド・バーンはアートロックショーで”愉しげ”に、警笛を鳴らす。】
- 深化したデヴィッド・バーンの思想と人間性。進化したアートロックショーを堪能した幸福な2時間であった。-
◼️数ヶ月前に「ストップ・メイキング・センス」を観賞した際は、ビッグスーツを着た若きデヴィッド・バーンが”Road To Nowhere”を歌いながら、舞台上で行進する姿が、懐かしくも、感慨深かった。
・今作品では、現代アメリカが抱える諸問題
- 人種差別、投票率の低下・・etc.ー を、デヴィッド・バーンがユーモアを交えながら、観客に問い掛け、トーキング・ヘッズ時代に得意とした様々な打楽器をベースにした洗練された格好良い、アート・ロックを次々に披露して行く。
・立方体のような空間で繰り広げられる、幾何学的なバンドパフォーマンスも素晴らしく、魅入られる。
ー バンドメンバーも、多国籍である。ー
◆差別の犠牲になった黒人たちの名を叫びながら、ジャネール・モネイの曲 ”Hell You Talmbout”を歌うデヴィッド・バーンとバンドメンバーの姿、そして背景に映し出される遺族の映像は、沁みたなあ・・。
<ラストは、矢張り”Road To Nowhere”を演奏しながら、デヴィッド・バーンとバンドメンバー達が会場を楽しそうに一周する。
スパイク・リー監督は、ブロードウエーの高額席だと思われる白人層に取り囲まれるデヴィッド・バーンの姿を、ロングショットで長廻しで撮っている・・。
そして、デヴィッド・バーンはナント、スポーツサイクルで夜の町に消えていく。
この二つのシーンの対比も、スパイク・リーのメッセージかもしれない・・。
作品全体から立ち上るアーティスティックな雰囲気は昔日の面影があるが、今作のパフォーマンスではそこに温かい人間性やユーモアが感じられ(現状に対する皮肉もタップリ!)、多幸感溢れるステージであった。
デヴィッド・バーン、素敵な齢の重ね方をしているなあ・・。>