「このおじさん、1952年生まれですと!!」アメリカン・ユートピア 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
このおじさん、1952年生まれですと!!
毎度おなじみ「アフター・シックス・ジャンクション」で
ライムスターの宇多丸さんが激押ししていたので
行きましたよ!!
いや~~~最高~~~~~~~~~~!!
私の年代では、この映画のボーカリスト
デビッド・バーンが活躍していたバンド
「トーキング・ヘッズ」の名前は知ってるけど
洋楽に疎かったので記憶に残ってる曲は無い。
そんな洋楽弱者でも、なんと気持ち良い!
派手な衣装もステージセットもない中
楽器をコンパクトに改造し、
鼓笛隊の奏者の様に体になじませて
ステージの上で演奏しながら、
縦横無尽に隊列を変えたり、ダンスを踊ったり、
また、照明も実に多彩に全体を盛り上げて行く。
ここ何作か続いた音楽映画
例えば「ボヘミアンラプソディ」とか
「 ロケットマン」とは違って
演者の真実をドラマにしたものでは無く、
デビッド・バーンのライブ中継と思って観てください。
曲を知らなくとも、一曲一曲に込められた思い、
また途中で入るMCのメッセージ性が伝わって来るに随って
心の中に湧き上がる音楽の喜び
皆で演奏し、声合わせて一体になる楽しさが
半端なく伝わって来る。
コロナが収束したら是非とも
爆音、応援上映をやって欲しい!!
覚えておいてね!MOVIXさん!!
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
なんと言っても表題の通り
「このおじさん、1952年生まれですと!!」
2021年現在で69歳っすよ!
撮影当時はもう1歳くらいは若かったかもしれないけど
声出てる!!
もちろん、若者の力任せのステージに比べれば
ショー自体はもっとインテリジェントな作りですが
それにしても、声がしっかり出てる。
そこが凄いのと
途中で、昨今の「ブラック・ライブス・マター」の
象徴的な曲を唄うにあたり、
その曲のオリジナルの黒人シンガーに
「私は白人の老人だが、この曲を唄っていいだろうか?」と
尋ねた。と言うMCが入るのです。
60代の後半、70歳になろうとする人が
今の時代の価値観、すべての人が差別なく
声合わせて歌ったり語ったりできる事が
一番素晴らしいんだという事を
全力で肯定し、同じ年代の人々に伝えようとしている。
そのことに一番感動する!
日本の政治家を観て見なさいよ!
まるで固定概念と金欲の豚まんみたいな
おじいばっかりじゃん!
デビッド・バーンはMCの途中で言うんです。
「選挙に行く人は有権者の20%だそうです。」
照明が客席の20%を照らし出す。
「人の運命まで勝手に決めていい気なもんだ!」
真面目に選挙に行かない人への痛烈なメッセージ!
日本のアーティストもこのくらいのメッセージは
自分のファンに向かって出すべきじゃないだろうか!
指示政党まで言わなくて良いけど、自分で考えて
より良い世界のために選挙に行こうよ!と!
アメリカ本国でもネット配信になってしまったそうです。
音楽映画は音響の良い映画館で観ようよ!
ああ、最後に誰か日本製の祭り用地下足袋を教えてあげて。
裸足に慣れてない欧米生活の人たちには
あれはキツイと思うので(笑)