「映画としては期待してなかったけど、最高の映画だった!」アメリカン・ユートピア SHさんの映画レビュー(感想・評価)
映画としては期待してなかったけど、最高の映画だった!
舞台的なコンサートを撮影した、よくある何かを映画というフォーマットにしたもの。だから、それほど期待せず、スパイク・リーだしデビッド・バーンだから見ておくか、という半端な気持ちで観賞。
出だしの音響に、少し期待が─。シンプルな美術・衣装、シンプルなマテリアル、シンプルな照明─、それらが自由自在に絡み合い、単純ならざる見事な演出に昇華。
これまで見たコンサート映画で自分史上最も感動した作品でした。
音楽的にも派手ではないし、決して斬新でも新しくもない。昔の音楽満載の半ば回顧的な様相も─。しかし、歌の構成、動きの構成、光の演出等々、様々な要素が緻密に計算しつくされていて(←勝手な妄想)一見シンプルで自由な舞台が、終わってみると、まさにユートピアという名の小宇宙と化していた。
トーキングヘッズをよく知っていればしびれるだろうなーという浅はかな思い、終いにはこれは普遍的なメッセージだと思うまでに─。
映像も素晴らしくて、会場全体の臨場感とともに、舞台上を(はたまたその裏側までも)詳細に切り取ってくれて、これは会場にいる以上の楽しみを味わえているのではと本気で思ったほど。
音響も終始素晴らしかったし、このレベルだから録音疑惑が生まれるのだろうという納得感。
これから音源を探ろう。恐らくBlu-rayは買っちゃいます。
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